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末岡洋子の海外モバイルビジネス最新情勢 第247回

アップルとグーグルが協力する感染接触追跡アプリは新型コロナ対策の決定打となるか?

2020年04月24日 12時00分更新

文● 末岡洋子 編集● ASCII

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 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大防止を目的として、アップルとグーグルが握手を交わした接触追跡技術は、スマートフォンのBluetoothなどの技術を利用して、感染者と接触していた人を追跡するものだ。感染増に悩むEUでもフレームワークができつつある。封鎖解除をにらみ普及させようという動きがあれど、その効果は未知数だ。

アップルとグーグルが、接触追跡の相互運用で合意

 新型コロナウイルスとの戦いが世界中で続いている。最前線の医療現場の崩壊を防ぐべく、感染拡大を抑制させる必要があるが、ここでスポットが当たっているのが接触追跡と呼ばれる技術だ。日本でも政府が乗り出したことが報じられている。

 この技術の先駆けは、3月にシンガポールで始まった「Trace Together」だ。政府が旗振り役となり、市民に利用を呼びかけた(開発はシンガポール保健省)。シンガポールの政治的特性や国のサイズがあってこそ、成り立つシステムにも見えた。それが、ここに来て大規模な実装が進む可能性が出てきた。4月10日にアップルとグーグルが発表した協業だ。

 既報の通り、アップルとグーグルの協業は、両社のOSを搭載する端末で接触追跡アプリを使うユーザー同士が近くにいた人を記録。その後、新型コロナ陽性がわかるとその人が過去14日間に接触していた人に通知が行くというものだ。通信にはBluetoothを使い、位置情報は記録しない。

 第一段階として共通のAPIを公開、これを利用してアプリを構築できる。第二段階では、Bluetoothベースの接触追跡技術をOSに組み込む。第一段階は5月、第二段階は数ヵ月後としている。

 今更ながら、現在のスマホ市場はiOSとAndroidでほぼ100%となる。

 シンガポールのような思い切った対策をとることができない国にとって、2社の協業は救い船となるかに見えた。

EUの”EU toolbox” 国レベルの取り組みへの勧告

 一方、EUのeHealth Networkは4月15日に「EU toolbox」を発表した(https://ec.europa.eu/health/sites/health/files/ehealth/docs/covid-19_apps_en.pdf)。EU加盟国が接触追跡、および感染者と接触していたことの警告をするモバイルアプリを構築するにあたっての勧告となる。共通の必須要件として、ユーザーが自主的に利用する、加盟国の保険当局の承認を得る、プライバシーを保護する、不要になったら削除する、の4つを明記している。

 技術的な仕組みはアップルとグーグルのものに似ており、Bluetoothを利用し、誤検知を防ぐために1m以内での検出を推奨している。セキュリティーとプライバシー保護のため、IDはランダムに生成され定期的に変更することなどが書かれている。EUならではという点は、加盟国間の相互運用性のために高リスクの接触についての基準を揃える、当局間で感染データをやりとりするなどのことなどが入っている。もちろん、EU一般データ保護規則(GDPR)への遵守もポイントだ。

 EUではすでに、オーストリア、チェコ、デンマーク、フランス、オランダなど複数の国で接触追跡アプリの開発が進んでいる。多くは保健当局と協力したものだ。イタリアではすでにベータ版となっており、実証実験を終えれば、国レベルで展開するという段階。ポーランドは4月1日に公開済みだという。

 欧州共通のアプローチとしては、Pan-European Privacy-Preserving Proximity Tracing(PEPP-PT、https://www.pepp-pt.org/)がある。立ち上がりは3月31日で、フランスなど複数の国はPEPP-PTと協業している。PEPP-PTは、アップルーグーグルのような分散型(サーバーにIDを記録しない)と中央集権型の両方をサポートしている。

 なおEUは、4月16日、接触追跡を含む新型コロナ対策につながるモバイルアプリ全体に対して、データ保護のガイドラインも発行している。

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