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松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析 第90回

スマホで「陽性鍵」がやりとりされる時代:

アップルとグーグルの新型コロナ対策が可視化する過酷な現実

2020年04月14日 09時00分更新

文● 松村太郎 @taromatsumura 編集● ASCII

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●どういう仕組みで濃厚接触者を検出する?

 アップルとグーグルの仕組みの場合はこうです。

 AさんとBさんは知り合いでもそうでなくても構いません。約10m程度の間で通信ができるBluetooth LEで、10分以上通信範囲にいた人を記録します。

 記録の方法は、おのおののスマートフォンが持っている匿名化されたユニークな「鍵」。これをすれ違う人に渡します。ただし、鍵が誰のものなのかは分かりません。こうしてプライバシーが保護されます。

 Aさんに新型コロナウイルスの症状が現れ、検査をして「陽性」となった場合、衛生当局のアプリを通じ結果を入力。この際、Aさんの同意の下、自分の鍵が「陽性」であることを14日間サーバに保存します。

 Aさんと10m以内にいたBさんは、「新型コロナウイルスの陽性患者と接触していた」というアラートを受け取り、自分も検査の必要性があることを知ることになります。

 説明のために登場人物をAさん、Bさんと限りましたが、AさんはCさんとも、Dさんとも、Eさんとも、Fさんとも接触している可能性があります。とくに不特定多数の人と長時間接触する電車や公共施設、店舗などは、膨大な人の「鍵」を集め、膨大な人に「鍵」を渡していくことになるでしょう。

 そして、交換した「鍵」が「陽性鍵」になったら、自分に通知が飛んでくるのです。

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