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松村太郎の「"it"トレンド」 第295回

オンライン授業、始めるまでに問題山積み

2020年04月06日 09時00分更新

文● 松村太郎(@taromatsumura) 編集● ASCII

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●オンライン授業をいかに受けるか

 しかしそもそもの問題が山積しています。

 まず、学生が共同購入したPCが4月いっぱい届かないという問題です。日本の新学期は需要が高まるタイミングでもありましたが、新型コロナウイルスの影響で供給力が弱まり、半数も届きませんでした。そこで貸し出せるPCをかき集めて、製品が届くまでの1ヵ月程度をしのいでもらうようにしました。

 あとはネットアクセスの問題です。学生にアンケートをとって、約3/4から回答を得ましたが、インターネット環境がないと答えた人は5%程度でした。中にはスマートフォンのデータ通信量50GBのプランに入っているという人がいたりしていて、パソコンが届いてもすんなりネットがつながるかは分からない状況。

 スマートフォンしかネットにつながらなくても、ZoomやYouTube Liveを見ることはできます。しかし、パソコンで課題を解いたり学習するという複数のデバイスの使い分けが最適なのですが、その方法を直接伝授する場がない。オンライン講義ができれば満足ではなく、新しい形の授業を受ける「スキル」が必要なことも、見落とされがちである点も問題です。

 確かにパソコン1台でストリーミングの授業を受けながらノートを取ったり、レポートをまとめたり、チャットで議論をするのは理想的です。しかし、必ずしもそれを「ベスト」としない方がよいとも思います。

 香川県方面では1日1時間と言われてしまいそうですが、より多くの子どもたち、学生たちの手元にあるスマートフォンを最低ラインに設定できるかどうかで、オンライン講義、リモート教育の参加人数という意味での成否が変わってくるのではないかと思います。

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