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石川温のPCスマホニュース解説 第58回

携帯電波から居場所を見つける:

KDDI「ヘリコプター基地局」で遭難者を捜索

2019年11月06日 10時00分更新

文● 石川温

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●スマホに救われる命がありそうだ

 空から携帯電話の電波を発射するのであれば、最近、流行りのドローンでもいいような気がする。KDDIでもドローンを使った空の基地局は何度となく、実証実験を実施してきた。

 しかし、今回、ヘリコプターを起用したのは「バッテリーで動くドローンだと、飛行時間に制約ができてしまう。最近ではエンジン型のドローンも登場し、2〜3時間の飛行も可能だが、振動が大きくなるという課題がある。また、ドローンだと、基地局が防水対応しなくてはいけないということもある。ヘリコプターであれば、長時間の飛行が可能で、人が抱えて持ち込むだけなので、防水性能も不要などのメリットがある」(KDDI関係者)。

 今回は、山での遭難者をイメージした実証実験であったが、将来的には災害時に、基地局がダウンした場合でも、いち早く救助するために、この仕組みを活用するというのも視野に入れている。

 万が一の時、仮に圏外になってしまっても「スマホの電源はオン」にしておくことで、助かる命が増える時代がやってくるのかも知れない。


筆者紹介――石川 温(いしかわ つつむ)

 スマホ/ケータイジャーナリスト。「日経TRENDY」の編集記者を経て、2003年にジャーナリストとして独立。ケータイ業界の動向を報じる記事を雑誌、ウェブなどに発表。『仕事の能率を上げる最強最速のスマホ&パソコン活用術』(朝日新聞)など、著書多数。

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