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T教授の「戦略的衝動買い」 第551回

ワンコとの散歩用に“児童見守りGPS”「FamilyDot」を衝動買い

2019年10月10日 16時00分更新

文● T教授、撮影●T教授、編集●ASCII

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スマホとFamilyDotの位置情報に
数十mクラスの大きな誤差が発生

 さて、この商品はハード、アプリともそれほど複雑な商品ではないので、もうほとんどの読者諸兄姉にFamilyDotの機能と効能はご理解いただけたと思う。実践編として、満充電したFamilyDotを街中に持ち出してみた。

 位置情報の精度を比較するために、筆者の日常使いのスマホである「HUAWEI Mate 20 Pro」とGoogleのアプリ“端末を探す”を導入済みのスマホ、FamilyDotの3台を同時に持って、さまざまな場所を約1週間かけて歩いて実地試験をやってみた。

 まず自宅を出て驚いたのは、筆者のスマホの示す現在位置とFamilyDotの指し示す現在位置との大きな誤差だった。筆者は近所の教会の前の歩道に立っているのに、同じ筆者が身に着けたスマホとFamilyDotの示す位置との距離誤差がGoogleマップ上で50mもあったのだ。

最初のテストの自宅近所で、大きく差のあるFamilyDotの現在位置。私は歩道上にいるのに……FamilyDotを持った筆者は、なぜか大きく西にずれてフェンスを越えてJR常磐線の線路の脇にいる。その差は数十m!?

 もしFamilyDotの位置情報が正しければ、筆者は2m以上あるJRのフェンスを越えてJR常磐線の線路脇にいることになる。この誤差は利用開始から1週間経過した現在もなんら変わらず、筆者はすでにJR常磐線を何百回も横断した感覚だ。たしかにスマホのGPSの方がより正確だとは思うが、今の時代のGPS、加えてWi-Fiアクセスポイントによる誤差補正をうたっているFamilyDotのGPSで常時50mという誤差は論外だろう。

 不安になって、再確認のためカバンのポケットに入れたスマホの場所を、HUAWEI Mate 20 Proから捕捉してみたら、筆者の現在の立ち位置と同じ教会の前の歩道にフラグが立っていた。間違った場所を指し示していたのはFamilyDotだけだった。

同じく筆者が持つ“端末を探す”アプリを導入したスマホの居場所をHUAWEI P20 Proから探したところ、ほぼ筆者が立っている歩道にある。ズレているのはFamilyDotだけだった

 続いて、FamilyDotをカバンの持ち手にぶら下げて実際に近所をあちこち歩いてみたが、なぜかFamilyDotの軌跡はほとんど道路上を示すことなく終始した。

その後も近所を10分ほど歩いてみたが、ズレは補正されることはなく謎解きのような迷路が残った

 今度は日を変えて、半日ほど病院に検査に行く日に以前と同じ同じ条件で第2回目の測定を試みてみた。下記の地図を参照していただくのがわかりやすいだろう。筆者が歩いた道は赤い線の上。同じ歩行コースをFamilyDotで見てみると緑色の線の上となる。

半日病院に行った日に、同条件で位置測定をやってみた。食事を終えた筆者は「古城」という喫茶店の前にいるのに、FamilyDotを持った筆者は、大きな浅草通りを渡って、なんと上野警察署の中にいた(FamilyDotの位置情報は緑色の線)

喫茶「古城」の前は空が開けたGPS向きの場所だった。HUAWEI Mate 20 Proと別のスマホ、FamilyDotの3台で、上野警察署に行ったのはFamilyDotだけ

 パッと見では、FamilyDotも何とかトレースできているようだが、よく見てみると筆者が曲がっている交差点は確実にとらえてはいない。これは、位置情報の取得が3分に1回や5分に1回という一定間隔の計測では起こってしまう不可避な事態だが、昨今のGPSでは他人の家中を横切ったり、川を渡ったりはしないよう補正されている。

 FamilyDotでは、衛星から取得した位置情報を利用して、道に合わせるという高度な補正処理は明らかに行なわれていないと考えるべきだが、このありさまで学校から帰宅する児童や放課後に塾に通う児童を本当に追跡できるのかは、はなはだ疑問だ。ましてや、児童の寄り道は100%許されないだろう。

 このケースで問題となるのは実際の徒歩コースのトレースよりも、最終点で筆者は浅草通りを横切ることなく、高級喫茶「古城」という行きつけの喫茶店でランチを終えた筆者は店を出てすぐ前の歩道上に立っているにも関わらず、FamilyDotだけは大きな浅草通りを勝手に渡り、なぜか上野警察署の建物の中に入ってしまっているという位置情報のズレだ。Wi-Fiアクセスポイントによる補正は効かなかったのだろうか? 児童の親が見たら卒倒するかもしれない。

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