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横浜市経済局は2019年9月6日、横浜・みなとみらいのコワーキングスペース「BUKATSUDO」にて、ピッチイベント「第12回横浜ベンチャーピッチ」を開催した。横浜市では、2019年1月にイノベーション都市・横浜を宣言し、大手企業・ベンチャー、金融機関等の連携による新しいビジネス創出への取り組みを推進している。本イベントは、事業拡大を目指すベンチャー企業と大手企業やVC、金融機関とのマッチングを促進し、資金調達や事業提携へつなげることを目的としたもの。第12回は「働き方改革」をテーマに市内外の5社が登壇した。
あらゆる家電をスマート化して働き方を改革「Stak」
1社目は、広島に拠点を置くIoTベンチャーの株式会社Stak。Stakは、自宅の照明や家電をスマート化するIoTデバイス。スマホからの遠隔操作だけでなく、アプリの設定によって家電の自動制御も可能だ。たとえば、家から半径100メートル以上離れると、エアコンやテレビの電源を自動的にオフにする、といったことができる。
Stakの特徴は、1)機能拡張型、2)マグネット式のモジュール型で取り付けが簡単、3)リモコンモジュールを追加すれば、赤外線対応の家電やスマートスピーカーとの連携が可能――の3つ。現在は、Stak本体と照明モジュール、リモコンモジュールの3製品をサブスクリプションで販売しているが、今後、フレグランス、スピーカー、虫よけ、センサーなど、さまざまなモジュールを増やしていくという。
さらに新たな事業展開として、ハウスメーカーやホテル、病院などへStakの導入を目指しており、広島県内の民泊施設と連携し、チェックアウト後に室内の電源をオフにする、といった管理の自動化への取り組みを始めている。また、ソフトバンク、あんしんサーポートとの3社で高齢者の見守りサービスとの連携を図っているそうだ。
香りと食で健康寿命を延ばす「キッチン蒸留器」で健康経営を促進
株式会社植物蒸留らぼ.DDは、香りと食の両面から健康経営を促進するサービスを提案。近年、企業の健康経営への関心が高まっているが、経済産業省の調査によれば、実際に健康経営へ取り組んでいる企業はわずか21%と少ない。同社は、手軽に健康経営を実践してもらうため、植物の香りによる健康効果に着目し、ハーブや野菜、果物など家庭にある身近な材料を蒸留して健康に役立てられる「キッチン蒸留」の機器を開発・販売している。
キッチン蒸留器の特徴は、香りだけでなく、調理にも使える点だ。水滴を集めた芳香蒸留水は「香り」、蒸留に使った素材は蒸し野菜、蒸留に使った水はうま味を含む出汁として楽しめる。
すでに都内の和食やイタリアンレストラン、京都のフレンチレストランのほか、多くの医療機関にも導入済み。今後は、海外展開も視野に入れ、蒸留水使用の健康飲料の開発、医師や医学会との共同開発による医薬部外品、化粧品の開発も目指していくとのこと。
妊活に取り組む夫婦向けのパーソナルサポートサービス
妊活コンシェルジュ「famione」
今はカップル5組の1人は不妊治療に取り組み、18人に1人が体外受精で誕生している。にもかかわらず、妊活に関する情報は少なく、世の中にあまり認知されていない。そのため、仕事と妊活を両立できず、約2割の妊活中の女性が退職しているという。30~40代の働き盛りの人材が辞めてしまうのは、会社としても損失だ。
株式会社ファミワンは、適切な情報提供と精神的なケアを継続的に支援するためLINEを活用した「妊活コンシェルジュ」サービスを提供している。LINEで友達登録すると、チェックシートが定期的に届き、それに答えるだけで妊活の専門からのアドバイスが届く仕組みだ。
専門家は、不妊症看護認定看護師、臨床心理士、経験者で構成されており、その時の状態に合わせて、必要な知識やケア、病院選び、パートナーと話し合うコツといった適切なアドバイスが得られる。
無料プランと、回数無制限・電話相談ができる「プレミアムプラン」(3980円)を用意。さらに、企業の福利厚生としての導入も増えており、専門の看護師をカウンセリングやワークショップに派遣することで周囲の理解を促すための支援を行なっているそうだ。
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