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T教授の「戦略的衝動買い」 第542回

Windows 10 Pro搭載の超小型“チビパソ”「GPD MicroPC」を衝動買い

2019年07月31日 12時00分更新

文● T教授、撮影●T教授、編集●南田/ASCII編集部

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超小型PCながら入出力端子が充実
OSにWindows 10 Professionalを採用

 富士通のLOOX Uはすでに手元には無いが、自宅にあるPalm Top PC 110とMicroPCを並べて比べてみると、MicroPCがほんの少し小振りだ。またThinkPad同様、Palm Top PC 110は直線的でシャープなイメージだ。LOOX Uは両者の中間的な外観デザインとなっている。

1995年に日本IBMが発表・発売した「IBM Palm Top PC 110」(左)と今回のMicroPC(右)。MicroPCはサイズがひと回り小さくて薄くて軽い。これが約四半世紀の差なら、Palm Top PC 110は進化しすぎていたと自画自賛したくなる。1981年発表のIBM-PCに忠実なキーボードを採用し、ファミコンコントローラーと同様のポインティングデバイスを採用したPalm Top PC 110(左)とかなりユニークなキー配列のMicroPC(右)

筆者も愛用していた富士通「FMV-BIBLO LOOX U」。卓上利用ではトラックポイントとは感覚の違うクネクネしたポインティングデバイスになじめず、外付けマウスを使用していた

筆者も愛用していた富士通「FMV-BIBLO LOOX U」。卓上利用ではトラックポイントとは感覚の違うクネクネしたポインティングデバイスになじめず、外付けマウスを使用していた

 MicroPCの最大の特徴は、このサイズにしては入出力拡張ポートが充実していることと、Windows 10 Professionalを搭載し“ハイパフォーマンス産業用小型PC”という位置付けになっているところだ。

 もちろん、メーカーの想定通りの市場で大活躍するイメージは十分伝わるのだが、筆者のように、モバイルパソコンもフル入出力ポート型大好き人間には、ビンビンと脳みそとハートにアタックされる感じがするのだ。

 実際のポート構成は、背面にHDMI 2.0ポート、USB 3.0×2、USB Type-C(3.0)、RJ-45、RS-232C。そして左側面には、3個目のUSB 3.0とmicroSDXCスロット(最大2TB)が配置されている。

RS-232Cポート(左端)やRJ45ポートと並んで、USB 3.0 、HDMI、Type-Cポートが用意されている。ラップトップPC並みの入出力ポートはハイパフォーマンス産業用小型PCの名に恥じない拡張性だ

RS-232Cポート(左端)やRJ45ポートと並んで、USB 3.0 、HDMI、Type-Cポートが用意されている。ラップトップPC並みの入出力ポートはハイパフォーマンス産業用小型PCの名に恥じない拡張性だ

左側面には3番目のUSB 3.0ポートと2TBまで対応できるmicroSDXCスロットが用意されている

左側面には3番目のUSB 3.0ポートと2TBまで対応できるmicroSDXCスロットが用意されている

 実際に、背面に配置された6個の拡張ポートすべてに同時に対応するケーブルを何度か抜き挿ししてみたが、まったく問題は無かった。筆者の大好きな機能性とは関係なく、過剰に外観デザインに凝ったUSBメモリーの中には両側にケーブルがあることで極めて抜き挿ししにくい商品もあったが、側面には3番目のUSB 3.0ポートがあり、それも問題ないだろう。

全体の重量やサイズを優先しつつ、ポート拡張性をも120%実現するために、全体形状はレガシーなラップトップPCを思い浮かべる外観デザインになってしまった。しかし、ポート拡張性を望むエンジニアやユーザーにとっては、「必然の機能デザイン」でそこに異議は無い

全体の重量やサイズを優先しつつ、ポート拡張性をも120%実現するために、全体形状はレガシーなラップトップPCを思い浮かべる外観デザインになってしまった。しかし、ポート拡張性を望むエンジニアやユーザーにとっては、「必然の機能デザイン」でそこに異議は無い

すべてのポートに標準サイズかそれ以上に幅を取るプラグ類を何度か抜き挿ししてみたがまったく支障はない

すべてのポートに標準サイズかそれ以上に幅を取るプラグ類を何度か抜き挿ししてみたがまったく支障はない

 このように、MicroPCは極めて小さなボディーサイズであるにも関わらず、入出力拡張ポート的には大型サイズのラップトップPCのようなハードウェア設計だ。そして、それらの使い勝手を考え実現するために外観デザインもヒンジ部分が大きく、また強化された丸くて柔らかいデザインを実現している。

 外観デザインは個人の趣味性もあり意見の分かれるところではあるが、昨今のシャープて薄くて当たり前というUMPCの路線とは一線を画す、プロフェッショナルな割り切りは素晴らしい。

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