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ASCII Power Review 第122回

キーボードの感触が絶妙なんです

GPD Micro PC 実機レビュー = 6インチ400グラム台の超小型ノートPCなのだっ!!

2021年04月07日 13時00分更新

文● 写真 ジャイアン鈴木 + 編集● ASCII PowerReview軍団

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 6インチディスプレーを搭載したUMPC「GPD Micro PC」がマイナーチェンジした(N4120-8/256G)。CPUを「インテル Celeron プロセッサー N4100」から「同N4120」にアップグレードし、またSSDも128GBから256GBへ倍増している。

 タッチタイピングするにはキーボードが少し小さいが、親指入力を前提に利用するなら問題なしで、小型ボディーが非常に魅力的なマシンなのだ。

「GPD Micro PC(N4120-8/256G)」実売価格5万3500円前後

6インチディスプレー搭載の超ミニノートPCなのだ

 GPD Micro PC(N4120-8/256G)は、OSにWindows 10 Pro 64bit、CPUにCeleron-N4120(4コア4スレッド、1.10~2.60GHz)を採用。メモリーは8GB(LPDDR4)、ストレージは256GBのSATA接続SSDを搭載している。N4100からN4120に変更されることでバースト周波数が2.40GHzから2.60GHzに向上している。ピークパワーはある程度向上しているはずだ。

 CPUとストレージ以外のスペックは従来モデルと共通。ディスプレーは6インチH-IPS液晶(1280×720ドット)を採用している。なおタッチ非対応、ウェブカメラ非搭載という点には留意しておこう。

 通信機能はWi-Fi 5(11ac)、Bluetooth 4.2、有線LAN(1000BASE-T)をサポート。残念ながらWWAN対応モデルは用意されていない。

 インターフェースは、USB 3.0 Type-C(USB Power Delivery 2.0対応)、USB 3.0 Type-A×3、HDMI 2.0、有線LAN端子(RJ-45)、microSDメモリーカードスロット、3.5mmヘッドフォン端子、そして産業用機器や計測器などに接続するためのRS-232端子が用意されている。小型ボディーに多くのインターフェースを搭載していることが、GPD Micro PC最大のアドバンテージだ。

 本体サイズは153×113×23.5mm、重量は約440g。3100mAhのリチウムポリマーがふたつ内蔵されており、バッテリー駆動時間は6~8時間と謳われている。

 ボディーは高級感があるとは言えないが、質実剛健な「道具」としての佇まいを備えている。なによりそのコンパクトさから愛着がそそられるマシンだと思う。

本体天面

本体底面。ヒンジ側に直径2.5mmのネジ穴が用意されている

ディスプレーは6インチのH-IPS液晶。表面はCorning Gorilla Glass 4でカバーされている。タッチ非対応、ウェブカメラ非搭載だ

キーボードは英語配列。右奥にタッチパッドが配置されているため、数字の段が折り返している変則的な配列となっている

前面(上)と背面(下)。前面にはマイク、3.5mmヘッドフォン端子、背面にはRS-232端子、HDMI 2.0、USB 3.0 Type-A×2、USB 3.0 Type-C(USB Power Delivery 2.0対応)、有線LAN端子(RJ-45)を配置

右側面(上)と左側面(下)。右側面にはリセットスイッチ、左側面にはUSB 3.0 Type-A、microSDメモリーカードスロット、ストラップホールを用意

パッケージには、本体、説明書、ACアダプター、USB Type-Cケーブル、ストラップが同梱されている

本体の実測重量は434.5g

ACアダプターとUSB Type-Cケーブルの合計重量は実測85.6g

ACアダプターの型番は「FC53」。仕様は入力100-240V~0.7A、出力5V 3A、9V 2.67A、12V 2A、容量24W

「BlackBerry」や「HP200LX」を彷彿とさせる
親指プチプチ・キーボード

 本製品のキーボードはキーピッチが実測10.75mm前後、キーストロークが実測0.6~0.7mm前後。FキーとJキーにホームポジションを示す突起が設けられているが、正直タッチタイピングはかなり厳しい。基本的には親指入力を前提にしたキーボードと考えたほうがいい。

 親指入力のためのキーボードとして考えると、その打鍵感は絶妙だ。ストローク自体は浅いが、明確なクリック感が備わっている。「BlackBerry」や「HP200LX」を愛用した方なら、本製品のキーボードもきっと気に入るはず。またバックライトが内蔵されているので、真っ暗なサーバールームでも快適にコマンドやパラメーターを入力できる。

 少々慣れが必要なのがポインティングデバイスで、右奥にタッチパッド、左奥に左右中央クリックボタンが配置されている。ディスプレーがタッチ非対応なので、使いこなすためには、できるだけショートカットキーを活用したほうがいい。

 ディスプレーの詳細スペックは公表されていないが、カラーキャリブレーション機器「i1Display Pro」と色度図作成ソフト「ColorAC」で計測したところ、sRGBカバー率は90.3%という値が出た。本製品の用途を考えると十分な色域を備えている。

 なおGPD Micro PCのディスプレーはグレア(光沢)仕様。当然照明などの映り込みが目立つ。気になる方はアンチグレア(非光沢)タイプの液晶保護フィルムを入手しよう。

ディスプレーの最大展開角度は実測148度

キーピッチは実測10.75mm前後

キーストロークは実測0.6~0.7mm前後

幅153mmのボディーは親指入力にピッタリサイズだ

バックライトは「Fn+Space」キーでオンオフ可能

タッチパッドは実測47×30mm。面積は狭いが3本指ジェスチャーにも対応している

ディスプレーパネルはH-IPS液晶。貸出機はやや赤みが強かった

sRGBカバー率は実測90.3%、AdobeRGBカバー率は実測68.9%、DCI-P3カバー率は実測68.5%

Tiger Lakeと比較すると1コアぶんをやや上回るCPU性能

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