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最新パーツ性能チェック ― 第265回

RX 5700でもゲーム次第でRTX 2070よりも上!?Radeon RX 5700シリーズを徹底検証

2019年07月07日 22時00分更新

文● 加藤勝明(KTU) 編集●ジサトラハッチ

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現行RadeonやRTX 2070の差をチェックする

 それでは今回の検証環境を紹介しよう。第3世代Ryzenのレビュアーズキットのパーツをそのまま使用する。CPUについてはRyzen 7 3700XかRyzen 9 3900Xのどちらを使うか迷ったが、12コア24スレッドのRyzen 9 3900Xでもシングルスレッド性能でCore i9-9900Kに比肩しているため、3900Xで検証を行なった。レビュアーズキットにないパーツは電源ユニットやCPUクーラー位のものである。

 また、比較対象のビデオカードはRadeon VIIを筆頭にVega64/56、そしてPolaris系の最上位であるRX 590、さらにライバルGeForceとしてZOATAC製のRTX 2070搭載モデルにRTX 2060 FE(RX 5700と同じ価格設定)を準備した。ドライバーはその時点における最新版、即ち現行RadeonについてはAdrenalin Edition 19.6.3を、GeForce系は431.18(hotfix)を、RX 5700シリーズ用はレビュー用に用意された19.7.1をそれぞれ用いた。Anti-Lagをはじめとするドライバーの設定は何もせず、デフォルト設定のままで計測することとする。

【検証環境】
CPUAMD「Ryzen 9 3900X」(12コア/24スレッド、3.8~4.6GHz)
ビデオカードAMD「Radeon RX 5700XTリファレンスカード」、AMD「Radeon RX 5700リファレンスカード」、AMD「Radeon VII リファレンスカード」、AMD「Radeon RX 64リファレンスカード」、AMD「Radeon RX Vega 56リファレンスカード」、ASRock「Phantom Gaming X Radeon RX 590 8G OC」(Radeon RX 590)、ZOTAC「ZOTAC GAMING GeForce RTX 2070 MINI」(GeForce RTX 2070)、NVIDIA「GeForce RTX 2060 Founders Edition」
マザーボードASRock「X570 Taichi」(AMD X570)
メモリーG.Skill「F4-3600C16D-16GTRG」(DDR4-3200で運用、8GB×2)
ストレージGIGABYTE「GP-ASM2NE6200TTTD」(NVMe M.2、2TB SSD)
電源ユニットSilverStone「ST85F-PT」(850W、80Plus Platinum)
CPUクーラーCorsair「H110i」
OSWindows10 Pro 64bit版(May 2019 Update)

ゲームではPCI Express Gen4は関係なし

 今回のGPUレビューではGPUのアーキテクチャーが変化しただけでなく、CPUにチップセット、さらにCPUーGPU間の接続バス(PCI Express)も新しくなっているため、なぜ速い(遅い)かという分析が少々やりにくい。CPUとチップセットは各環境で統一されているからまあ良いとしても、PCI Expressの世代の差が描画性能に関係があるのかを確かめておかないと、結果の考察ができない。

 そこでまず最初に、第3世代Ryzen+X570マザーボード+RX 5700シリーズの組み合わせでのみ成立するPCI Express Gen4がベンチマークに影響するのか、しないのかを検証する。自作PCの経験豊かな人ならPCI Express Gen3とGen2の違いは軽微であることを知っているはずだが、今回もそれに当てはまるのだろうか?

 とりあえずRX 5700シリーズだけで「3DMark」のスコアーを比較してみよう。今回の検証用マザーボードはBIOS上でGPUに接続するPCI Expressバスのモードを任意に設定することができる。今回はこれを使用してGen4とGen3で差が出るか確かめてみた。Fire Strikeを筆頭とした定番描画テストのほかに、最新バージョン(v2.9.6631)より追加された“PCI Express feature test”も試してみる。

X570 TaichiのBIOSでは「Advanced/AMD PBS」の中にある「PCIe x16 Bus Interface」を開くと、GPUに接続するPCI Expressバスのモードを切り替えることができる。「Auto」と明示的に「Gen3」を指定した時の差異を調べることにする
PCI Expressがどのような状態でリンクしているかを見るにはGPU-ZではなくRadeon設定を使おう。BIOSでGen3モードに変更すると、「現在のバス設定」がGen3表示になる
RX 5700XTとRX 5700でPCI ExpressのモードをGen4とGen3に変えた時の「3DMark」のスコアー
「3DMark」のv2.9.6631から追加されたPCI Express feature testの結果

 RX 5700シリーズは史上初のPCI Express Gen4接続GPUではあるが、3D系ベンチでは全くといって良いほど差が出ない。微妙にスコアーがGen4の方が高い(低い)場合もあるが、これはスコアーのブレの範囲だ。

 しかしながら、PCI Express feature testではGen4の方がCPUからGPUへのデータ転送量が6割ほど増えている。ただこのテストは普通のゲームでは使わないような処理で負荷をかけているため、実際のユースケースに当てはまるとは言い難い。細かいところだが論理的な帯域がGen3→Gen4で2倍になるのに実際は6割増という点も注目すべきだろう。

 3DMark以外にもうひとつ実ゲームでも変わらないか確認しておきたい。ここでは「World War Z」を使用する。APIはVulkan、レンダースケールは100%、アニメーション品質と画質は“ULTRA”とし、ゲーム内のベンチマークモードを利用して計測した。

「World War Z」でPCI ExpressのGen3とGen4の差を比較。1920×1080ドット時
「World War Z」でPCI ExpressのGen3とGen4の差を比較。2560×1440ドット時
「World War Z」でPCI ExpressのGen3とGen4の差を比較。3840×2160ドット時

 実ゲームでもGen4がGen3と差がないことが確認できた。Gen2にしても性能が誤差程度にしか変化しないゲームが多い現状では、Gen4はゲームのためではなく、マルチギガビット以上の高速LANやSSD等がメリットになるといえる。

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