ビデオカードに搭載されたGPUは、PCに組み込んでドライバーをインストールすれば使い始められるが、GPUドライバーには細かい設定用のアプリが用意されている。「AMD Radeon™ グラフィックス」(以降Radeonと略)の場合は「AMD Software:Adrenalin Edition(以降AMD Softwareと略)」がそれだ。ゲームの画質やフレームレートを引き上げるにはゲーム側の設定画面で画質や解像度を変更するのが定石だが、GPUドライバーの設定を変更することでさらに上を目指せる。
最近「AMD Radeon™ RX 9070シリーズ」の人気が爆発したおかげでRadeonに乗り換えたという人もいるだろう。今までGeForceを使ってきたのでAMD Softwareはさっぱりだ……という人は、本稿が格好のガイドになることだろう。
本稿ではパフォーマンスを検証している箇所があるが、それらはすべて以下のような環境でテストしている。Resizable BAR (AMD Smart Access Memory™)やSecure Boot、メモリー整合性およびカーネルモードのハードウェア適用スタック保護、HDRなどは一通り有効化している。
検証環境 | |
---|---|
CPU | AMD「Ryzen 7 9800X3D」 (8コア/16スレッド、最大5.2GHz) |
CPUクーラー | EKWB「EK-Nucleus AIO CR360 Lux D-RGB」 (簡易水冷、360mmラジエーター) |
マザーボード | ASRock「X870E Taichi」 (AMD X870E、BIOS 3.20) |
メモリー | Micron「CP2K16G64C38U5B」 (16GB×2、DDR5-5600で運用) |
ビデオカード | ASRock「AMD Radeon RX 9070 XT Taichi 16GB OC」 (Radeon RX 9070 XT、16GB GDDR6) |
ストレージ | Micron「CT2000T700SSD3」(2TB M.2 SSD、PCIe Gen 5)、 Silicon Power「SP04KGBP44US7505」(4TB M.2 SSD、PCIe Gen 4) |
電源ユニット | ASRock「TC-1300T」 (1300W、80 PLUS TITANIUM) |
OS | Microsoft「Windows 11 Pro」(24H2) |
AMD Softwareのインストール手順を確認
まずは最新Radeonのドライバーをインストールするのはどうすれば? というレベルの人向けに、インストール手順をおさらいしておこう。まずはAMDのサポートサイト(https://www.amd.com/ja/support/download/drivers.html)へ飛ぶ。一番上にWindows 10/11用のドライバーDLリンクがあるが、これはWHQLドライバー(WHQL認定の通ったドライバー)をインストールするためのインストーラーだが、全機能を使うには追加DLが必要なタイプである。最新ゲームにチューニングされたドライバーにアクセスするには、GPUの型番をインプットしてフルインストーラーをDLしよう。

まずはAMDのドライバーがDLできるページへ飛ぶ。一番上にWindows 10/11用のドライバーのダウンロードボタンがあるが、これは後で解説する最少インストーラーをDLするものだ。これには触れず、もう少しページを下に送ろう

「Browse Products」以下はリストから選択することで次の選択肢が解放される。まず「Graphics」を選択し、続いて「Product Family」から自分の使っているRadeonのファミリー名を選択する。最終的に自分の使っているRadeonの型番まで辿り着けばよい
初心者が悩むのはこの「Product Family」の部分だろう。現状のRadeonドライバーはRX 5000/ 6000 /7000シリーズで同じドライバーを使っているので、型番が少々違っても大丈夫だ。ただRadeonでも旧世代のRX 590〜550(いわゆるPolaris世代)などのGPUの場合、Radeon RXではなく「Radeon 600 | 500 | 400」を選ばないと正しいドライバーに到達できない。このあたりがわかり辛い、という人は先の最少インストーラーをDLした方がいいかもしれない。
ちなみに、Socket AM5版Ryzenの内蔵GPU(Radeon Graphics)もRX 9000シリーズ向けのドライバーをインストールすれば同時に更新される。
