GTX 1650はエントリー向けコア「TU117」で登場
ではGTX 1650の公式スペックを確認してみよう。いつもならレビュアーズガイドなどで数値を確認するのだが、今回GTX 1650には資料らしい資料が用意されていない。その理由は後述するとして、まずは技術的な話をしよう。
GTX 1060とGTX 1050でメモリーバス幅が違うためコアがGP106とGP107に分けられていたように、GTX 1650はGTX 1660とは違う専用のコア「TU117」が投入されている。CUDAコア数は1世代前のGTX 1050 Tiを上回るがGTX 1060 3GBを超えない896基、VRAMはGTX 1050 Tiと同じ4GB。さらにクロックはブースト時1655MHzと高いため、この時点でGTX 1650はGTX 1050 Tiを超える存在であることが見て取れる。
しかし、これだけのスペックアップを果たしてなお、TDPは75Wに収まっている点は驚異的だ。つまり、GTX 1050や1050 Tiと同様にPCI Expressスロットからの給電だけで動作するGPUに仕上がっているのだ。Radeon系の補助電源なしモデルはRX 560で、GTX 1050 Tiよりもやや下の性能となる。今回のGTX 1650は補助電源を使えない、あるいは使いたくない派には嬉しいアップデートと言えるだろう。
ただし、今回入手したカードのように強めのファクトリーOCモデルでは補助電源端子が搭載される製品もある。このあたりの都合は従来とまったく同じだ。
また、TuringベースのGPUなので浮動小数点演算と整数演算を同時実行できたり、内部のキャッシュや共有メモリーまわりの改善でパフォーマンスがアップしている……という点はGTX 1660 Tiなどと共通している。よりモダンなシェーダーを備えたゲームでより威力を発揮する……的な話になるが、そこはGTX 1660 Tiのレビュー記事をご参照いただきたい。
しかし残念なことに、NVENCの仕様はGTX 1660/1660 Tiと若干異なっており、H.265でのBフレームが非サポートになっているほか、NVENCそのものの仕様もVolta世代と同等になっている。これがOBSなどでのパフォーマンスにどう影響するかは今後の検証を待ちたい。
せっかくなので今回入手したGTX 1650搭載カード「ROG-STRIX-GTX1650−O4G-GAMING」を写真で少し眺めておこう。
ちなみに、ASUSから本日正式にリリースされる製品は下記の2モデルとなる。併せて紹介しておこう。