トイレットペーパー経費1700万円をIoTで削減
「チャレンジ九州 北九州でIoTビジネスアイデアコンテスト メイカーズになろう!」プロジェクトのデモデイ開催
最後に協賛企業とメンターの方々から総評
TOTO株式会社 ビジネスイノベーション推進部 中村氏:「弊社は2017年に100周年を迎え、次の100年に向けて、水回りの商品を作っている世界中の企業のなかで、いちばんイノベーティブにやっていくことで、お客様に受け入れられていかなければならないという危機感を抱いています。今回、協賛させていただき、北九州という環境は北九州高専やメンターをはじめ、みなさん近い関係性にあったため、クイックに新しいことを生み出していくことができたんだと思っています。そういう意味でも非常に面白い取り組みでした」
第一交通産業株式会社 小田氏:「2年連続で協賛させていただいていますが、何かの取っ掛かりと、機会や場が提供されていないと、いいものはできていかないし、いいものができるための環境というものを企業側がいかにサポートできるかが重要だと思っています。ここで出てきた種が徐々に形になっていくと、「北九州ってそういう街だよね」とより街の活性化につながるのではと思っていいます。今回、自分たちが支援したところしか見ていませんでしたが、ほかのチームの成果を見てみると、弊社のほかの事業部隊に使えそうだなと思いました。特に『yobimori』は、4月末から沖縄で船舶事業をスタートするので(笑)」
株式会社ドーワテクノス 田中氏:「ベンチャーのパッションが一番大事かなと思いました。メンタリングでメンターのみなさんから温かいながら手厳しいアドバイスをいただき、心が折れそうな方もいたと思いますが、そんな中でも変わらない信念を持って、北九州高専をはじめパートナーの方々と一緒になって正味4ヵ月で形に仕上げるのはスゴイなと思いました。弊社も新規事業をやっていますが、なかなかうまくいかないこともあるので、今回プロセスを見させていただきスゴイ勉強になりました。早く実用化して世の中の役に立ち、気持ちよく儲けて北九州で事務所を起こしてもらいたいですね」
株式会社ABBALab代表 小笠原 治氏:「最初に相談いただいたとき1年で終わらないでくださいねと話をしていて、2年目もできてよかったです。続けていくと質も上がっていくし、単発の企画として終わってしまうのはもったいない取り組みだと思うので。私としては投資先になるような人たちが出てきてほしいなというのが本音で、今回みなさんがんばっていただきましたが、あえて言うと今日の時点のプレゼンだけで投資を決めるというのはまだないなぁというのが率直な感想です。(投資したいところまで)質を上げていけるようにできるといいなと思いました」
株式会社Shiftall 代表取締役CEO 岩佐琢磨氏:「(小笠原氏より今日の時点で500万あずけるとしたらどこへ投資したいという質問に)nanoFreaksですね。500万全額投資します。みなさん、いいプレゼンでいいデモ機に仕上がって、よかったと思います。アメリカで毎年開催しているCESでは、フランスが5年前からすごい力を入れていて、昨年ぐらいから『French Tech』という言葉を聞いたことがあるかと思いますが、私は3年ぐらい前からFrench Techはスゴイと言っていました。そんなスゴイFrench Techも最初は誰も知らなかった。なので続けることでブランドを構築し、いいイベント、いい取り組みとなれば、応募する人のレベルも上がっていきます。そうなれば、そこから出てきた人たちを評価するときの視点も変わってくると思います。今回はイベントとしても成長していると感じましたし、できあがっているモノのレベルも上がっています。1年目より圧倒的にお金の匂いがします。もう1段、ビジネス臭とプロトタイプのレベルが上がってくると、2年後ぐらいにはこの場でABBALabからの投資先が決まるのではと思います」
株式会社マクアケ 取締役 木内文昭氏:「最初の演出を含めて、2年目ならではのこなれた感があって、つい市役所主催ということを忘れてしまうぐらい、温かい取り組みだと思いました。今回、1年目よりもクオリティーが上がっており、あと一山二山あると思いますが、次のステップが楽しみです。そのなかでいいなと思ったのが、北九州高専の方々や漁協組合の人たちなど、IoTを使ってどうするかということと、北九州ならではの強みがブレンドされ、非常にユニークな取り組みだと思いました。近い将来、北九州の人たちだけではなく、出てくる人たちと組みたい人たちが参加するようなイベントになるのではと思います」
北九州工業高等専門学校 生産デザイン工学科 准教授 合同会社ネクストテクノロジー 代表 滝本 隆氏:「高専として試作支援をするということで、このプロジェクトは1年目から携わっています。ただ、高専だけではうまくいかないと思っていて、学内にベンチャー企業を起ててやっております。それは、学生と試作制作をしたりベンチャーとして急速に形にするとか、難しいことは高専の研究としてやろうとか、いろいろ揃えられる状況にしたかったためです。企業としては、将来的にハードウェアスタートアップの支援できる仕組みを行なえるようにしたいと思っています。今回は3チーム支援しましたが、前回より増えて必死に最後2週間で形にしようと、持てる学生を総動員させて仕上げました。やりたいという熱い気持ちに鼓舞されて学生たちが動くので、そういう情熱に学生たちを触れさせて、学生自身がこの場に立つようになってくれることを期待しています。今後も支援していきますので、よろしくお願いいたします」
筆者は今回初めてこのプロジェクトを取材したが、ネタを仕込んでいたり演出もプレゼンもみなさん非常に凝ってがんばっており、とても楽しませてもらった。何より試作品がつくられ展示されているので、今後の展開が見えるのがいい。IoTスタートアップは東京だけではない。地方での盛り上がりを強く感じた北九州の夜だった。