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業界人の《ことば》から 第332回

東芝の白物家電が2年で黒字に 中国企業の強み生かし拡大

2019年02月28日 09時00分更新

文● 大河原克行、編集●ASCII

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黒字化3つのポイント

 黒字化と売上げ成長の要因はいくつかある。ひとつは、コスト削減効果である。

 たとえば、中国市場向けの冷蔵庫では従来は東芝ライフスタイルが持つ中国の工場で、年間100万台の生産キャパシティーがあったが、稼働率は約半分に留まっており、生産性の悪化と生産コストの上昇につながっていた。

 そこで、東芝ブランドの冷蔵庫を美的集団の中国の販売ルートに乗せることで生産量を拡大。さらに、同工場で美的集団ブランドの冷蔵庫も生産することで、稼働率を向上。2016年に比べて、80%も生産性を向上させ、400リットルクラスの冷蔵庫では、生産コストを20%も削減できたという。

 ふたつめは、世界第2位の家電メーカーならではの美的集団による調達力の強化だ。

 「かつての体制では、中国向けには最大でも年間100万台の冷蔵庫を生産しているにすぎなかった。だが、美的集団では年間2500万台の冷蔵庫を中国向けに生産。圧倒的な調達力が強みになり、これが冷蔵庫以外のさまざまな製品で生かされている」とする。

 もうひとつが、製品ラインアップの強化だ。

 新たに12カテゴリーの製品を投入。売上げ拡大に寄与している。

 「一時休止していたカテゴリーの製品や、新たなカテゴリーの商品を投入。具体的には、日本市場向けの150リットルクラスの小型冷蔵庫、単機能の電子レンジ、4.5kgの洗濯機など、美的集団の生産力、コスト力を生かせる製品を追加した」とする。

 従来は付加価値領域を中心にしていたラインアップを、普及製品にまで拡大させたことが貢献している。

 このように、美的集団の強みを生かしたコスト競争力強化や商品力、開発・設計力の強化、市場・商品ラインアップの拡充が、東芝ライフスタイルの競争力を高めている。

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