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業界人の《ことば》から 第332回

東芝の白物家電が2年で黒字に 中国企業の強み生かし拡大

2019年02月28日 09時00分更新

文● 大河原克行、編集●ASCII

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2020年にインドへ進出

 さらに、2017年度までに社内ITシステムを、美的集団のものに刷新。こうした費用負担もあったが、2018年にはほぼなくなったこともプラス効果に影響している。

 小林社長は、意識改革や成果主義の徹底といった要素も、成長を支える要素になったとする。

 「美的集団に入ってから、権限を委譲する代わりに責任を持たせ、社員に利益を配分する成果主義の手法を徹底した。この結果、自分たちのブランドを継続し、発展させていきたいという意識が社内に生まれている」とし、「これは、『自分ゴトの会社風土の熟成』であり、直接的な数字に表れていない部分での改善が、成長を支えている」とする。

 一方で、「スピードもまだまだ遅く、やらなくてはならないことも多い」と、課題を指摘する。

 2019年は、そうした課題を解決しながら、成長戦略を描く。今後3年間の年平均売上高成長率は10%とし、ROSは3年後には5%を達成する目標を掲げた。

 具体的な施策としては製品ラインアップの拡大に加えて、効率化、コスト削減への取り組みを継続的に進めるとともに、2019年には欧州市場に新たに参入。2020年にはインド市場にも参入するなど、グローバル展開にも積極的に踏み出す。

 この2年で、新たに10ヵ国への参入を図っているが、さらに加速し、現在約3割の海外売上げ比率を、4割程度にまで引き上げる計画だ。

 ただ、インドや欧州ではテレビやPCは高いブランド認知度を誇るが、白物家電の東芝ブランドは浸透していない。

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