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新車を買った情報2019 第4回

マツダ ロードスターRFの電子制御で北海道の吹雪でも無事だった

2019年02月16日 12時00分更新

文● 四本淑三、編集●西牧

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最初から電子制御のありがたさを実感

 いずれにしろ、駆動系の電子制御が効き始めますと、ヨイヨイの千鳥足で走っているようなクルマのランプが点灯いたします。画像がブレて見苦しいのはご容赦していただきたいんですが、タコメーターの下のところ、0と1の間にある黄色いやつがそれですね。

画像はエンジン始動直後の表示

 除雪の済んでいない積雪路なんかでこのマークが点灯しますと、アクセルをいくら踏んでも速度は上がりません。かわりに後輪がグリップを探りながら、泳ぐようにして前に進んでゆきますから、おお、電子制御働いとるな、という感じがいたします。この日の積雪は10センチを超えたくらいでしたでしょうか。この程度ですと住宅地の路地にはなかなか除雪も入りませんが、これくらい走れたら不自由もいたしません。

 ただ、いったん車輪が雪に埋まってしまうと、トラクション・コントロールのおかげで脱出できないこともある。それでトラクション・コントロール、スタビリティ・コントロールをまとめて切るスイッチがあります。まあ普段は入れっぱなしで使いたいものなんで、エンジン切って再始動すると、自動でオンになる仕組みになっておりました。

ダートと同じ雪道ではLSDも有効

 雪道でありがたいメカニズムとしては「LSD」というものもあります。妙なものが見えるアブナイ薬ではありませんで、「リミテッド・スリップ・デフ」の略、日本語で「差動制限装置」というものであります。こいつのありがたみは少々面倒なんですが、順を追って説明しましょう。わかる人は飛ばしてください。

 まず、左右の駆動輪はシャフトでつながっておりますが、直結しているとカーブでは左右で回転差が生じますからスムースに曲がれません。そこで左右の回転差を許す仕掛けが必要になります。

 それがデファレンシャル・ギア、略して「デフ」というもので、これを介してシャフトが付いております。砂浜を走るバギーのようなものを除くと、これはどんなクルマにも付いているものであります。

 ですが、こいつにも困ったところがありまして、片方の車輪が空転すると、そっちばかり回って、もう片方に力は伝わらなくなる。するとクルマは前に進みませんから、回転差をある程度まで制限する必要がある。そこで考えられた仕組みがLSDというわけです。

 これがあると速く走れるってんで、走り屋は付けたがるものなんですね。コーナーを高い速度で旋回すると、横に加速度がかかって内側の車輪が浮いてしまう。すると駆動力が抜けて速度が落ちてしまうんですが、それを防ぐのが LSDなんであります。サーキットやラリーではあった方がいいものに違いありません。

 雪道もダートみたいなものですから、有効なんであります。轍なんかで片輪が浮いてしまっても、ちゃんと前に進んでくれます。ただし、ホイールスピンするときには両輪一緒。急にアクセルを床まで踏みつけると、クルマがくるっと回っちまいかねないんで、気を付けなければなりません。

 まあなにがどう付いたところで、そもそもがFRですから、4WDの安定性にはかないません。それでも今のロードスターは、雪に対して必要なお膳立てが、だいたいは整っているんでありますね。

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