縦方向のダイサイズは
HBM2メモリーの寸法から決定
なぜこんなに大きいのか? という答えは簡単で、縦方向はHBM2メモリーの寸法で決まり、横方向は(おそらく)インフィニティー・ファブリックのI/Fで決まってしまい、これ未満にはできなかったためだ。
JEDECはHBM Balloutを公開しているが、これによればHBM2では信号 1904Ball、GND 1762Ball、VDDCとVDDQとVPP(コアとI/Oとポンプ回路向け電源)が合計で1754Ballという化け物であり、Ballは300行×68列(ただし互い違いに空きがある)で10200にも達する。
数が合わないのは、NC(No Connection)が883Ball、そもそもBallなしが3897ほどあるためだが、それにしてもシグナルだけで1900本以上をVega20から引っ張り出さないといけない。
こうなってくると、配線レイアウトは下図のように、なるべく直線に引っ張り出さないと、いくらシリコンインターポーザーを使うとはいえ斜め方向に引っ張り出すのは大変だろうし、またレイテンシーの増大にもつながる。
HBMを90度回転させて配してもやはり配線が増えることになるし、配線そのものがかなり大変になるだろう。つまるところ、HBM2を4つ使うと決めた時点で、縦方向のダイサイズはほぼ決まったも同然になる。

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