縦方向のダイサイズは
HBM2メモリーの寸法から決定
なぜこんなに大きいのか? という答えは簡単で、縦方向はHBM2メモリーの寸法で決まり、横方向は(おそらく)インフィニティー・ファブリックのI/Fで決まってしまい、これ未満にはできなかったためだ。
JEDECはHBM Balloutを公開しているが、これによればHBM2では信号 1904Ball、GND 1762Ball、VDDCとVDDQとVPP(コアとI/Oとポンプ回路向け電源)が合計で1754Ballという化け物であり、Ballは300行×68列(ただし互い違いに空きがある)で10200にも達する。
数が合わないのは、NC(No Connection)が883Ball、そもそもBallなしが3897ほどあるためだが、それにしてもシグナルだけで1900本以上をVega20から引っ張り出さないといけない。
こうなってくると、配線レイアウトは下図のように、なるべく直線に引っ張り出さないと、いくらシリコンインターポーザーを使うとはいえ斜め方向に引っ張り出すのは大変だろうし、またレイテンシーの増大にもつながる。
HBMを90度回転させて配してもやはり配線が増えることになるし、配線そのものがかなり大変になるだろう。つまるところ、HBM2を4つ使うと決めた時点で、縦方向のダイサイズはほぼ決まったも同然になる。
この連載の記事
-
第806回
PC
トランジスタ最先端! RibbonFETに最適なゲート長とフィン厚が判明 IEDM 2024レポート -
第805回
PC
1万5000以上のチップレットを数分で構築する新技法SLTは従来比で100倍以上早い! IEDM 2024レポート -
第804回
PC
AI向けシステムの課題は電力とメモリーの膨大な消費量 IEDM 2024レポート -
第803回
PC
トランジスタの当面の目標は電圧を0.3V未満に抑えつつ動作効率を5倍以上に引き上げること IEDM 2024レポート -
第802回
PC
16年間に渡り不可欠な存在であったISA Bus 消え去ったI/F史 -
第801回
PC
光インターコネクトで信号伝送の高速化を狙うインテル Hot Chips 2024で注目を浴びたオモシロCPU -
第800回
PC
プロセッサーから直接イーサネット信号を出せるBroadcomのCPO Hot Chips 2024で注目を浴びたオモシロCPU -
第799回
PC
世界最速に躍り出たスパコンEl Capitanはどうやって性能を改善したのか? 周波数は変えずにあるものを落とす -
第798回
PC
日本が開発したAIプロセッサーMN-Core 2 Hot Chips 2024で注目を浴びたオモシロCPU -
第797回
PC
わずか2年で完成させた韓国FuriosaAIのAIアクセラレーターRNGD Hot Chips 2024で注目を浴びたオモシロCPU -
第796回
PC
Metaが自社開発したAI推論用アクセラレーターMTIA v2 Hot Chips 2024で注目を浴びたオモシロCPU - この連載の一覧へ