次期GPU「Navi」はまずPS5が採用?
今年後半に発表、年内に出荷開始か
ではこれに続くNaviは? というと、最初のターゲットはコンシューマー向けと言いつつ、SCEのPlayStation 5向けという噂がもっぱらである。PS5だけでなく、次期Xbox向けもやはりNaviベース(こちらはNavi 10 Liteなる型番まで噂されている)になるようで、するとPC向けは当然その後ということになる。
時期的に言えば、今年の後半に発表があって、年内に出荷開始というあたりを現時点では想定しているようだが、正確なところはまだわからない。
ではそこまでの間、Radeon VIIの派生型を増やしてしのぐのかというとこれもまた厳しい。なにしろ製品原価が高すぎるからだ。可能性としては多少動作周波数を落とすとともに、HBMを2GB×4スタックに減らしたものを、100ドルくらい下げて発売する、あるいはNanoのフォームファクターで発売するというあたりだろうか?
ただこれも原価ギリギリなので、AMDとしては「可能ではあるが、積極的には手がけない」(市場の動向を睨みつつ、どうしても必要であると判断したら投入する)程度で、あまり積極的に仕掛ける感じはしない。
1月29日にAMDは2018年度の第4四半期および2018年通期の決算を発表し、記録的な業績(なにせ前年が一株当たり0.03ドルの赤字だったのが、0.32ドルの黒字に転換した)を誇ったが、この発表における今後の見通しの中で、2019年第1四半期は前期比12%、前年比24%の売上減を見込んでおり、その主要因がグラフィックにおける売上が落ちる事&季節要因だとしている。
要するに仮想通貨バブルが弾けて、マイニング用の売上が急落したからという話であるが、逆にデータセンター向けGPUなどは好調と見込んでおり、当面AMDはこちらの方面に注力すると思われる。グラフィックビジネスのテコ入れは、データセンター向けが一段落する今年後半~来年に持ち越しになりそうだ。
![](/img/blank.gif)
この連載の記事
-
第781回
PC
Lunar LakeのGPU動作周波数はおよそ1.65GHz インテル CPUロードマップ -
第780回
PC
Lunar Lakeに搭載される正体不明のメモリーサイドキャッシュ インテル CPUロードマップ -
第779回
PC
Lunar LakeではEコアの「Skymont」でもAI処理を実行するようになった インテル CPUロードマップ -
第778回
PC
Lunar LakeではPコアのハイパースレッディングを廃止 インテル CPUロードマップ -
第777回
PC
Lunar Lakeはウェハー1枚からMeteor Lakeの半分しか取れない インテル CPUロードマップ -
第776回
PC
COMPUTEXで判明したZen 5以降のプロセッサー戦略 AMD CPU/GPUロードマップ -
第775回
PC
安定した転送速度を確保できたSCSI 消え去ったI/F史 -
第774回
PC
日本の半導体メーカーが開発協力に名乗りを上げた次世代Esperanto ET-SoC AIプロセッサーの昨今 -
第773回
PC
Sound Blasterが普及に大きく貢献したGame Port 消え去ったI/F史 -
第772回
PC
スーパーコンピューターの系譜 本格稼働で大きく性能を伸ばしたAuroraだが世界一には届かなかった -
第771回
PC
277もの特許を使用して標準化した高速シリアルバスIEEE 1394 消え去ったI/F史 - この連載の一覧へ