PowerPCのご先祖様「RIOS-1」が誕生
下の画像がその実装例だが、チップも大きければボードもかなり大きい。これが20MHzで動いたというのだから恐れ入る。このRIOS-1が後にPOWER 1と呼ばれることになった。POWERとPowerPCのご先祖様というか、それに連なる最初の製品である。
画像の出典は、UMMR museo di storia dei sistemi a microprocessore
ここからの話は以前ASCI Blue Pacificに絡んで連載289回で説明したので繰り返しは避ける。ちなみに連載289回で紹介したRT Model 130/135/B35はPOWERベースではなく、ROMPベースながら性能を5.6MIPSまで引き上げたもので(おそらく動作周波数を10→13MHzにアップ)、これにAIX 2.2を組み合わせて出荷されたものだ。後にこれもRS/6000(RISC System/6000)という名称になっているが、やや毛色が違う製品である。
この5.6MIPSのROMPでWhetstoneが2.02MIPS、LINPACKが410/780KFLOPS(どちらもDouble Precision)という数値が残されており、これが1982年に投入されていれば競争力あったろうになぁ、という気がしなくもない。
このあとPOWER 1はRIOS.9→POWER1+→POWER1++と進化していくとともに、RIOS-1(RIOS.9ベース、という話もあるがもう手が入りすぎているのでどっちでも大して変わらない)をベースにワンチップ化したRSC(RISC Single Chip)、そしてRSCをベースに耐放射線性を強化した航空宇宙および軍用向けであるRAD6000と多数の派生型が生まれるが、これもおいておく。
重要なのは、ASEがその後30年あまり続くPOWER(とPowerPC)を、これも短時間で作り上げられたことである。POWER1とこれに続くシリーズは、ワークステーション市場の急速な盛り上がりに対して、IBMとして現実的な解決策を提供することに成功した。
それにとどまらずIBMのASCI Blue Pacific→ASCI White→ASC Purpleから先日運用の始まったSummitに続くPOWER系列のスーパーコンピューターと、QCDOC→Blue Gene/L→Blue Gene/Pと続くPowerPC系列のスーパーコンピューターに続くことになった。

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