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400台のロボットも2人で管理できる老舗RPA「Blue Prism」

AI Breakthrough Awards RPA部門で最優秀企業賞獲得

連載
働き方改革に直接効く「RPA」最前線

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コストも実は安い! と断言するBlue Prism

 Blue Prismはライセンスの考え方もユニークだ。“本番環境で同時に実行する台数”がライセンス数となる。

 テスト環境や開発環境には課金されず、開発者ライセンスも不要で、何人いてもOK。パートナーが販売するので、値段は明言できないが希望小売価格としては年間120万円~とのこと。月当たりにすれば10万円だ。失礼ながら、Blue Prismは高いというイメージがあったのだが、これには驚いた。なぜそのようなイメージを持たれているのだろうか。

 「実は、今年の7月までは、初期導入は10ライセンスで3年契約以上となっていました。たとえば、1ライセンス120万円だと、10ライセンスで1200万円、3年で3600万円になります。日本企業の一部門のお試しと言う話の入り口で3600万円となると、敷居が高くなります。そこで、グローバルでポリシーを変更し、1ライセンス1年契約から購入いただけるように変えました」(千原氏)

 稼働環境のみに課金されるのでロボットはいくつ作ってもOK。通常は、繁忙期に合わせてロボットを用意し、暇なときは何も動いていないということもあり得る。しかし、Blue Prismはプロセスと実行環境が疎結合となっているので、人事部が忙しくて経理が暇なら、人事部で多くの台数を動かし、逆の状況になったら経理部で多くの台数を動かすといったことができる。他社のRPAでは20ライセンス必要だったところが、Blue Prismなら5アカウントで済んだという事例もあり、単純に1アカウントの月額金額だけ比較できるものではないようだ。

 数台の導入というよりは全社導入して、横串を刺してRPAを利用することをBlue Prismは考えている。アクセス権限も詳細に管理できるため、たとえばデベロッパーは開発環境にしかアクセスできず、全体のログは見られないように制御できる。経理財務のロボット開発者は、経理財務のロボットの定義ファイルにしかアクセスできないようにするといったことも可能だ。

 志村氏が「これだけの機能を搭載しているので、実はすごく安いんじゃないかと我々は思っています」と言うように、セキュリティーがしっかりしていて、金融機関のコンプライアンスに対応し、サーバー型で高機能を備え、コントロールルーム機能でメンテナンスにかかる人件費を削減できる。これで月に10万円からというのは確かに安く感じる。

 不勉強ながら、Blue Prismは導入のハードルが高く、コストも高いというイメージがあったが、そこには誤解があったようだ。ビジネスの現場が開発できるような環境を用意し、他社のAIエンジンと連携するようなシステムも簡単に構築できる。TCOを削減できるうえ、実際の導入金額も高くはない。グローバルで大きなシェアを持つのも納得だ。日本でも、認知度が高まれば広まっていくことだろう。

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