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フレンチテックに続け 世界での商機をつかむ JETROベンチャープロジェクトの成果

欧州イノベーション・ミートアップ Viva Technology

提供: 日本貿易振興機構

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ピッチイベントで自社サービスをアピール

 会場にはところどころにステージが設置され、1日中ベンチャー、スタートアップによる自社サービスをプレゼンするピッチイベントが実施されている。ジャパンパビリオンの8社も、会期1日目にはボルドー市のブースにて、2日目は会場内「City Hub」のステージにて来場者や現地ベンチャーキャピタルの前でプレゼンを披露した8社を紹介する。

 BRAIN MAGICはクリエーター向けの入力デバイス「O2」を展示、空気のように当たり前のようになってほしいという思いでつくられたデバイス。ゲームセンターのゲーム機のジョイスティックのように自由に各方向に傾ける、押すなどの動作を組み合わせて、クリエイティブ系のソフトのショートカットを割り当てて、作業効率を上げられるという製品。長期的なパートナーシップを組んでいきたいといった相手との出会いもあったという。

 ハチたまは猫の泌尿器疾患の早期発見につなげるスマートねこトイレ「TOLETTA」を展示。今回は欧州での市場調査を兼ねた参加だったが、猫のオーナーの悩みは各国共通のもの。ブースに立ち止まってくれたのはほとんどが猫オーナーだったとのことで、オーナー目線で製品やビジネスの話へ発展できた。

 キスソニックスは3D音響生成プログラムを開発し、 音楽、映像などの3Dサウンドコンテンツ制作や、3D音響生成システムを組み込んだ機器の開発と販売でビジネスを展開している企業だ。伊藤カズユキ代表取締役。3Dサウンド効果に驚きの声をもらい、大手ECやマーケティング会社からの販売協力のオファーを受けるなど、パリを中心に欧州進出の足掛かりに可能性を感じたという。また、ナントでの企業訪問時は、現地業界事情に詳しい企業からアドバイスをもらう機会を得て、3Dサウンドスピーカーのビジネスモデルについて、具体的なアドバイスを受けていた。

 FutuRocketの美谷広海代表取締役、アナログ電話機をスマートリモコンに変えるデバイス「HACHFON」(ハックフォン)を展示。シニア向けビジネスとして説明していたところ、フランスでも高齢者が増えており、ビジネスの機会になっている人が思いのほか多いことに驚かされたという。また他の産業への用途に興味をもった大企業とも会話ができたという。

 シェアサイクル向けのソリューション展開をしているFUKUSHIMA Wheelの山寺純代表取締役。世界中で増えているシェアサイクルだけに市場の広がりともに、新しいビジネスの機会は増えていきそうだ。

 「SMART MIC」を展示したフォルテの杉浦吉彦氏、騒音の多い場所でも首にかけるだけで使える骨伝導のヘッドセットだ。VIVA Techの会場内は非常に騒音が多く、そんな中では良いアピールができたのではないか。杉浦氏はパリのVIVA Techに続き、ドイツ・ハノーファーで開催されるCEBITにも出展するなど、世界市場へ積極的に活動している。

 アクアビット・スパイラルズはスマホで検索なしで情報を取得できる情報配信デバイス「スマートプレート」を展示。参加した山本氏は自社ブースだけでなく、積極的に他社のブースへも訪問して、サービスを紹介した。渋谷区とも連携して、観光客や日常生活者のための情報発信サービスを展開する同社だけに、各都市のパビリオンなどにも参加し、パリ市やイル・ド・フランスなど今後の実証実験につながりそうな可能性も得られたという。

 取り付けやすいデザインやウェアラブル製品にも応用が可能な心電図用電極や、脳波用電極など生体電極といった各種センサー、パッドを展示した、アイ・メデックスの市田氏。メディカル、ヘルスケアと注目を集める領域なだけに、同社のテクノロジーに対して、十分な需要を感じられたのが一番の収穫と話す。今後も欧州市場向けに展開を検討し、VIVA Tech後はストラスブールで開催される「MedFit」にも参加する。

 VIVA Techの3日目は一般デーとなり、子供たちが多く来場し、ベンチャーの新しいサービス、テクノロジーに触れられる機会を得られている。加えて、ビジネスデーの2日間もブースに訪れた来場者はほかの出展する大手企業やベンチャーキャピタリストだけでなく、学生が非常に多かったという。大手、ベンチャー、学生を巻き込んでいるエコシステムがフレンチテックの発展を形作っているようにも思えた展示会だ。

 非常に多くの成果や発見が見られた今回のイノベーションツアーだったが、JETROでは、さまざまな展示会やイベントへの参加を可能にする、ベンチャー、スタートアップ、中小・中堅企業の支援プログラム、年間をとおして実施している。フランスと同様にベンチャー支援に国が力を入れて、欧州のハブになろうとしているベルリンのプログラムや、日本からのビジネス展開も狙いやすい東南アジア向けのプログラムなどもある。

 欧州イノベーション・ミートアップ事業は、今回特集したVIVA TECHNOLOGYコースにつづき、TECHDAY LONDONコース(開催日:2018年10月26日、開催地:ロンドン)、4YFNコース(開催日:2019年2月25日~27日、開催地:バルセロナ)についても2018年7月ごろから募集する予定だ。欧州からグローバルなビジネス展開を狙うベンチャーは、是非挑戦してみてはどうか。

(提供:日本貿易振興機構)

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