最後にエントリーミドルに位置するのが「Radeon RX 560」と「Radeon RX 550」である。どちらもGCNアーキテクチャに基づいたGPUであり、Radeon RX 560はPolaris 11を、Radeon RX 550はPolaris 12をそれぞれGPUコアに採用している。
Radeon RX 560は、16基のCompute Unitを有しており、Stream Processor数は1024基と、上位モデルであるRadeon RX 570のちょうど半分の規模となっている。しかし、ベースクロックとブーストクロックはともにRadeon RX 570を上回ってる点はトピックと言えよう。なお、メモリクロックはRadeon RX 570と同じ7000MHzだが、Radeon RX 560はメモリインタフェースが128bitとなっているため、メモリ帯域幅もRadeon RX 570の半分となる112GB/sだ。
一方のRadeon RX 550は、Compute Unit数は8基とRadeon RX 560からさらに規模が半分のGPUだ。Stream Processor数も512基と少なめだが、その分TDPが50Wに抑えられているため、補助電源コネクタを必要としない点はRadeon RX 550の大きなアドバンテージと言える。メモリクロックは7000MHzで、そのほかのメモリ周りのスペックはRadeon RX 560から変わっていない。Radeon RX 560とRadeon RX 550の主なスペックをまとめたものが次の表となる。
| Radeon RX 560/550の主なスペック | ||
|---|---|---|
| 製品名 | Radeon RX 560 | Radeon RX 550 |
| Stream Processor数 | 1024基 | 512基 |
| Compute Unit数 | 16基 | 8基 |
| テクスチャーユニット数 | 64基 | 32基 |
| ROP数 | 16基 | |
| ベースクロック | 1175MHz | 1100MHz |
| ブーストクロック | 1275MHz | 1183MHz |
| メモリータイプ | GDDR5 | |
| メモリーインタフェース | 128bit | |
| メモリークロック | 8000MHz | 7000MHz |
| メモリーバス幅 | 256GB/s | 112GB/s |
| 広帯域幅キャッシュ容量 | 2/4GB | |
| TDP | 80W | 50W |
| 接続インターフェース | PCIe 3.0 | |
| PCIe外部電源 | 6ピン×1 | - |
Radeon RX 560やRadeon RX 550では、どのようなゲームがプレイできるのだろうか。そこで、表2のテスト環境において、FFXIV:紅蓮のリベレーター ベンチマークと「Overwatch」のテストを行なった結果が次のグラフである。
FFXIV:紅蓮のリベレーター ベンチマークから見ていくと、標準品質(デスクトップPC)であれば、1920×1080ドットで軒並みスコア7000を大きく上回った。一方のOverwatchでも、NORMALプリセットではあるが、1920×1080ドットで100fps前後のパフォーマンスを発揮している。エントリーミドル向けのRadeon RX 560とRadeon RX 550は、こういった描画負荷が低めのゲームであれば、1920×1080ドットで十分満足のいくプレイが可能だ。また、ビデオメモリー容量が多いモデルのほうが、フレームレートが向上している点も注目したい。
冒頭でも述べたとおり、AMDのRadeonシリーズはハイエンドからエントリーミドルまで幅広いラインナップが用意されている。それぞれのモデルで得意とするゲームは変わってくるので、購入する際には予算と相談してどのゲームをプレイしたいのかを考えてGPUを選ぶようにするとよいだろう。
Radeonシリーズは、今月中にドライバーのアップデートを控えており、ソフトウェア周りでも注目の機能があるとのこと。ゲームのプレイだけでなく、そうした今後追加される新機能にも期待したい。

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