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オープンイノベーションを進める企業に出会えるプラットフォーム 「eiicon」を使ってみた

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オープンイノベーションの第一歩に立ちはだかる壁

 自社製品やサービス、技術と、異業種・異分野の企業と事業提携、協業して、新たな製品やサービスを生み出す「オープンイノベーション」へのニーズが高まっている。

 オープンイノベーションは、「企業内部と外部のアイデアを組み合わせることにより、新たな革新的価値を創造する」という考え方で、米P&Gや韓国のサムスンなど、海外ではすでに多くの企業が成功事例をみせている。日本でもこの潮流に乗るべく、多くの企業が「オープンイノベーション推進室」などを立ち上げ、自社の製品や技術と組めるパートナー探しが盛んに行なわれはじめている。

 とはいえ、オープンイノベーションはまだ黎明期。その手法はまだ確立されておらず、理想的な協業相手を見つけるのはなかなか容易なことではない。

 そんな現状を打破し、日本のオープンイノベーションをさらに促進させるべく、人材サービスを手がけるパーソルキャリア株式会社(旧インテリジェンス)が手がけた新たなサービスがオープンイノベーションプラットフォーム「eiicon」だ。

 eiiconは、ネームバリューや実績に関係なく、さまざまな企業が出会える「場」をウェブ上に構築したもので、簡単に言うと企業同士のお見合い仲介プラットフォームのようなサービスだ。

 オープンイノベーションを図る企業であれば、無料で登録・利用ができ(eiiconによる審査あり)、手軽にパートナー企業を探すことができる。

 サービスに登録すると、自社をアピールする企業情報やニーズ、自社の提供できる技術といった基本的な情報を登録し、オープンイノベーションを考えている企業へPRするためのページを作成する。ページの作成は必要な情報をフォームに入れるだけで生成されるので、特に労を傾ける必要はない。

 それなら自社サイトでいいではないか、と思われるかもしれないが、事業提携を考えている企業でも、その8割はオープンイノベーションについて告知していないのが実情で、企業サイトへアクセスしても、コンタクトが取れるのは人事部や総務部といった代表を受け持つ部署ばかりで、実際にオープンイノベーションを担当している責任者や部署と直接話ができなるようになるまでにも、なかなか苦労を要する。

 また、起業したての無名スタートアップ企業や地方の中小企業になると、たとえサイトに提携先を探していることを掲載していても、見つけてもらえることすら難しい。

企業お見合いを助けるeiicon

 eiiconは、オープンイノベーションを進めたい企業のみが登録しているプラットフォームであり、求める提携先を条件検索できるほか、自社に興味のある企業からコンタクトを受け取ることもできる。自社が求めるパートナーを能動的に探すことも、これまで接点のなかった業種や分野からのアプローチを受動的に待つこともできるのだ。

 また、スタートアップなら経営者、大手企業なら新規事業部やオープンイノベーション責任者といった、直接事業に携わるキーマンを登録するシステムになっており、コンタクトを取る際の労力も減らせ、これまで自らの力でパートナー探しをしてきたときより、理想的な形で成約に結びつく可能性が高い。

 eiiconで出会えるのは、企業だけでなく大学の研究室で扱っているシーズの技術(新しい発明・技術や材料、能力といった製品化に結びつく“種”)や、提携先を模索している企業、地方自治体、公官庁の登録も多数あり、2017年9月末の時点で1800件以上の登録を集めている。もちろん成約に至ってもeiiconへの利用料が発生することもないので、オープンイノベーションを考えている企業にとっては、まさに登録しておくだけでメリットを享受できるサービスなのだ。

 では、登録作業にどれほどの時間が必要となるのか、また、実際に提携先をみつけることができるのかを実地で検証してみることにした。ascii.jpスタートアップ編集部は、スタートアップ企業の1つ「株式会社TeNKYU」に協力いただき、実際にeiiconへ登録し、どのような出会いが生まれるのか試してもらった。

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