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プリンストンのデジギア道 第64回

抜群のコストパフォーマンスで気軽にAV入門できる「Edifier 1010BT」

iPhoneやPCを本格オーディオシステムに変えるBTスピーカーを導入してみた

2017年09月28日 11時00分更新

文● 貝塚/ASCII

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え、これで1万円なの?

左右のスピーカーは有線接続。ごく一般的なスピーカーと変わらず、ワンタッチで接続できる

 早速スマートフォンとペアリングさせてみよう。電源は内蔵のACアダプターで供給するが、プレーヤーとはケーブルで接続する必要がないため、設置場所はコンセントの近くであればどこでもいい。なお、伝送方式はA2DP、AVRCPで、通信距離は最大で10mとなっている。室内での使用であれば、ほとんど不自由しないのではないだろうか。

サランネットを取り外すと黄色いコーンが出現する

 電源をコンセントに差し込み、左右のスピーカーを付属のケーブルで接続した状態で背面の電源スイッチをオンにすれば準備は完了だ。

 コントローラーは背面に配置されている。ペアリング時は音量調整用のダイヤルを押すことで、インジケーターが青に変わり(電源オフは赤、電源オンはグリーン)、Bluetoothペアリング待機モードへと移行する。操作体系としてわかりやすく、別途ペアリング用のボタンを設けていないため、シンプルな外観にも一役買っている部分である。

背面のボリュームを押すと、Bluetoothモードになり、ペアリングが可能になる

 スマートフォン側でBluetooth接続をオンにし、Bluetooth機器の一覧から「EDIFIER 1010BT」をタップ。しばらく待つと接続され、スマートフォンの音声が1010BTに伝送されるはずだ。

iPhoneで使う場合は、Bluetoothモードの状態で、Bluetoothメニューから「EDIFIER 1010BT」をタップする

 iPhoneでは、ミュージックアプリの下部にも接続されている機種名が表示されるため、ここから確認しよう。

 肝心の音質だが、本製品は、プリンストンダイレクトでの直販価格は1万778円と、ポータブルのBluetoothスピーカーとして見ても、安価なところに入る。それを加味すると「この音質で1万円なのか!」という驚きを感じる人も多いのではないかと思った。

 ペアで10万円を超えるようなスピーカーと比較すれば、気になる点はあげられないこともない。具体的には、再生周波数帯域が70Hz~20kHzと、スペック的にも低域の深い部分を切り捨てて、さっぱりした音色にまとめている点は評価が分かれる部分だろう。ズンと沈むような音が収録されている音源を聴いても、低域の密度が物足りなく感じる。

 しかし、それは高価なブックシェルフスピーカーと比較して初めて感じられる部分であり、1万円を少し出る価格で、この音質、この使い勝手、さらにワイヤレスによる利便性を考えると、文句をつけるべきところではないのだろう。また、有線での接続にも対応しているため、付属のケーブルを用いて3.5mmジャックを持つ機器から有線で入力することも可能だ。

 その一方で、ツイーターを搭載している効果は著しく、広域にあたる金物類の金属的な響きなどは、よく再現される。設計の意図は、設計者にきいたわけではないのではっきりしたことは言えないのだが、こういった広域に振ったサウンドは、小さい音量で鳴らしたときにも音源のディティールが見えやすい。「卓上で、少し小さめの音量で音楽を再生しても、きちんと聴こえる音になるように」という狙いもあるのではないだろうか。

 また、ボリューム以外に独立した「BASS」のつまみを設けており、低域量の増減を調整できる。聴いた感じ、150Hz以下くらいの低域が強調され、ドラムのキック音とベースのあたりが全体的に盛り上がってくる印象だ。この補正機能を使うことで、70kHz以下の欠落を、中低域の量感を増やすことで補い、擬似的に、たっぷりとした低域を演出することもできる。好みに応じて調整しよう。

 この製品において、重要なのは音質がどうということではなく、安価で、ワイヤレスでホストデバイスと接続でき、スマートフォンやPCのスピーカーでは到底再現できない、きちんとしたスピーカーの音で音楽を鳴らしてくれる点であると思う。

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