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来年こそSXSWに行こう&楽しもう!達人4氏が語った“攻略法”

現地の雰囲気から事前準備、おトクなチケット購入、宿泊まで全部教えます

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経済産業省×ASCII STARTUP 日本発グローバル・ベンチャー公開選考会

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 11月15日に開催された「経済産業省×ASCII STARTUP 日本発グローバル・ベンチャー公開選考会」。経産省のベンチャー支援プログラム「飛躍 Next Enterprise」の関連イベントであり、来年3月10~19日に米国オースティンで開催される「SXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)」への派遣と、トレードショー出展権をかけた最終選考会となった。

 日本でもその名は知られるようになったSXSWだが、他のビジネスカンファレンスや展示会とは大きく違った特徴と楽しみ方があるという。今回の経産省×ASCIIイベントでは、SXSWの魅力に取りつかれ、これまでに何度もSXSWに参加している4氏が登壇し、開催中の現地の雰囲気から、参加することで得られるもの、十分に楽しむための心構え、参加費用を抑えるためのテクニックまで、SXSWの“攻略法”が存分に語り尽くされた。

「達人に聞く企業担当者が知りたいSXSW攻略法」トークセッション。(左から)モデレーターの西村洋氏、帆足啓一郎氏、中谷和世氏、澤山陽平氏

「これから世に出るテクノロジー」をいち早く体感できるSXSW

 まず、SXSWとはどんなイベントか。モデレーターを務める西村洋氏が、あらためてその概要を紹介した。

モデレーターを務めた西村洋氏(トーマツベンチャーサポート)

 SXSWは、米国テキサス州オースティンで毎年3月に開催される、インタラクティブ(テクノロジー)、ミュージック(音楽)、フィルム(映画)をテーマとしたフェスティバルであり、米国最大級のビジネスイベントでもある。

 このうちインタラクティブ部門は、世界中から集まる最先端のテクノロジースタートアップが頭角を現す場として知られており、新たな投資先やパートナーを発掘しようと、投資家や大手企業関係者も数多く集まる。過去にはTwitterやfoursquare、Pinterestなどがスタートアップとして出展し、その後の大きな発展につながるチャンスをつかんだ。

オースティン コンベンションセンターをメイン会場として、オースティン市街で同時多発的にイベントが開催されるSXSW。今年は10万人以上が参加した

 西村氏は、ビジネスイベントとしてのSXSWの位置付けを、「CES(Consumer Electronics Show)」や「MWC(Mobile World Congress)」など他の大規模展示会やカンファレンスと比較して説明した。簡単にまとめれば“コンシューマー向けを中心とした、ローンチ前の最先端テクノロジーのショーケース”が、SXSWだと言える。

 「『未来のトレンド』になるものを発掘できるのではないか、と考えてSXSWに参加する方が多い。最近は(TwitterのようなWebサービス系だけでなく)モノづくりやバイオといった、新たなテーマもどんどん出てきている」(西村氏)

西村氏による、CESやMWC、その他の展示会イベントとSXSWの位置付けの違い

 実際、帆足啓一郎氏が2014年に初めてSXSWに参加した理由も、勤務する研究所の業務として、新たなテクノロジースタートアップの発掘を行うためだったという。同じように澤山陽平氏も、2013年当時勤務していた証券会社でベンチャー調査/支援の仕事をしており、そうした興味もあって(ただし休暇中に自腹で)参加したという。スタートアップ側から考えれば、こうした企業や投資家と巡り会うチャンスの場、というわけだ。

 「先進的なものが好きで、オープンな人がたくさん集まっている。偶然隣に座った人とも、ちょっとしたきっかけで話がはずむような雰囲気」(澤山氏)

帆足啓一郎氏(KDDI総合研究所)

澤山陽平氏(500 Startups Japan)

 一方で、VR系のテクノロジーに個人的な興味があり、これまで自腹で3回SXSWに参加しているという中谷和世氏は、初回参加のきっかけは「ミーハーな気持ち」だったと振り返る。「参加経験のある人に『SXSWに行けば、有名なシリコンバレーのスタートアップ創業者がその辺を歩いてるよ』と聞かされて。そりゃすごいね! と興奮し、翌月のSXSWに参加した」(中谷氏)。

 会期中には、ミュージックのライブイベントやフィルムイベントも並行して開催され、オースティンの街がSXSW一色に染まる。著名人たちも気軽に街を歩いており、お祭り的なムードが漂う。中谷氏の語るような気軽な楽しみ方ができるのも、SXSWの魅力のようだ。

中谷和世氏(グーグル)

トレードショーの風景

頑張っても「全体の3%」しか見られない!? 下調べとスケジュール作成が必須

 各氏とも「初回の参加ではとにかく疲れた」と口を揃える。特に初めての参加者が「疲れる」のは、朝から晩まで刺激的なイベントが目白押しで、あれもこれも出席しようと移動し続けることになるからだ。

 5日間の会期中、1000を超えるカンファレンスセッションや展示会のほかにも、オースティン市街のいたるところでスタートアップのピッチコンテスト、参加者どうしをつなぐミートアップイベント、ワークショップなどが開催される。さらには、SXSWに便乗した非公式イベントや、シークレットパーティなどに出くわすケースもあるという。

 中谷氏が計算したところ、1人の参加者が物理的に出席できるのは、公式スロットセッションだけをとっても「全体のわずか3%」だという。それに加えて、会場間の移動には時間がかかるうえ、人気セッションでは「1時間前から行列しないと入れない」(帆足氏)こともよく起きる。

5日間に1000以上のセッションが開催されるので、綿密な下調べをしておかなければ重要なセッションを見逃すことに

 したがって、自分の興味分野に絞り込み、どんな企業が参加しているのかの事前調査も行ったうえで、あらかじめスケジュールを組んでおくことが大切だという。「終わった後に人から話を聞いて、えっ、そんな面白そうなセッションやってたの? ということもよくあるので」(中谷氏)。

 ただし、事前に決めたスケジュールを100%守ろうとしても難しく、それだけで「疲れて」しまうだろう。澤山氏は「どう見て回るかの予定を立てつつも、現地に着いたらそれはいったん忘れて、カオスに身を任せて楽しむくらいでちょうどいい」とアドバイスする。

 また中谷氏は、予定していたセッションが聴講してみると「ハズレ」だった場合、ほかのセッションに出席している知人に「そちらはどう?」と連絡を取って、面白そうなセッションに移動することもあると、自らの経験談からノウハウを披露した。

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