マルチファンクションディスプレイが
ドライバーをその気にさせる!
GT-Rの名を世界に知らしめたのはゲーム「グランツーリスモ」の影響が大きいと書いたが、これがキッカケでゲーム制作会社のポリフォニーが「マルチファンクションディスプレイ」を担当している。ここにはあらゆるクルマの状態を表示でき、油圧や油温、水温だけでなく、アクセルやブレーキの開度(踏力)、ブーストメーター、トルクの分配などがすべてデジタルデータ化され、ログがとられている。プリセット以外に、自分で好きな項目を追加・変更できるうえ、タイムロガー(タイム計測機能)もあるので、サーキット走行では重宝しそう。ただし、ナビが使えなくなってしまうので、街乗りで使うことはほとんどないかもしれないが、このようなデータがリアルタイムで動いているのを見るのは「その気」にさせてくれるので、筆者はナビが必要ない場所では常に表示させていた。
また、最低地上高は110mmなので、段差がある場所は多少気を使わないといけない。段差が大きそうなコンビニやファミレスなどは、ゆっくり角度を付けながら侵入しないと擦るだろうし、急な坂も危険だ。輪留めの高さによってはチンスポイラーをガリっとやってしまいそうなので、前向き駐車も危険といえる。
唯一不満だった点は、意外と取り回ししにくいところ。車幅感覚の慣れもあるかもしれないが、駐車場などでかなり切り返さないとうまく入れられなかった。ポルシェターボもメルセデスも一発で駐車できたのだが……。これはつばさも苦戦していた。われわれ以外に運転した編集部三宅によると「慣れだよ慣れ。俺は普通に動かせたよ」とのことだったので、ただ単に慣れていなかっただけなのかもしれない……。
ドイツ車2連発のあとに日本車だが、やはり日本人には日本車が合うのか、細かなところまで気が利くというか、安心して気張らずに乗れた。巨大なボディーと最先端の電子制御と安全性能で、事故らないのは当たり前だが事故られても大事には至らないだろうという信頼感がある。GT-Rがこんなに街乗りしやすいクルマだと思わなかった。それでいて、サーキットでは国内外のスーパーカーを相手に互角以上のポテンシャルを発揮する。それが1170万円で買えるなんて、日本車はなんてオトクなんだろう(買えないけど)。
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