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GT-Rを実車と同時に公開! SCEJ、「グランツーリスモ 5 プロローグ」説明会を開催

2007年10月25日 00時43分更新

文● 編集部 小西利明

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「グランツーリスモ 5 プロローグ」

「グランツーリスモ 5 プロローグ」

 ソニー・コンピュータエンタテインメント(株)は24日、同日開幕した自動車関連総合展示会「第40回東京モーターショー 2007」会場の幕張メッセにて、12月13日発売予定のプレイステーション3用ゲーム「グランツーリスモ 5 プロローグ」(以下GT5P)に関する記者説明会を開催した。

ポリフォニー・デジタル 代表取締役の山内一典氏

ポリフォニー・デジタル 代表取締役の山内一典氏

 説明会では、GT5Pの開発会社である(株)ポリフォニー・デジタル 代表取締役の山内一典氏により、ネットワークを活用したGT5Pの新機能の説明が行なわれたほか、GT5Pとのコラボレーションを行なった日産自動車(株)のスポーツカー「NISSAN GT-R」の開発者と山内氏によるトークセッションも行なわれた。

トークセッション中の1コマ

トークセッション中の1コマ。山内氏はGT-Rの開発中、世界各地で何度も試乗を繰り返したという



実車の発表に合わせてGT5Pでも披露!


こちらは実車の「NISSAN GT-R」

こちらは実車の「NISSAN GT-R」

こちらがGT5Pに登場するGT-R

こちらがGT5Pに登場するGT-R

 GT5Pでは発売に先んじて、20日から体験版のオンライン配信を行なっている。そして24日午後にGT-Rが実際に発表されたのに合わせて、GT5Pのゲーム内でもGT-Rの除幕式が行なわれた。実車と同時にゲーム内でも車を発表するという試みは世界初だという。

GT5P内で披露されたGT-Rお披露目のCG映像。赤い布が取り払われてGT-Rが姿を現わすと、盛んにフラッシュが焚かれる

 山内氏はGT5Pの開発を進めるかたわら、日産のGT-R開発スタッフの一員として実車の開発に関わったという(後述)。トークセッションで山内氏は、GT-Rにたびたび試乗したときの印象を「とにかく乗りやすい車。スペックはモンスターなのに、自由自在に車が動く」と語る。それを受けて、日産 製品開発本部 第二プロジェクト統括グループ 車両開発主幹 兼 チーフ・プロダクト・スペシャリストの水野和敏氏は、GT5Pで再現されたGT-Rについて「(山内氏が)乗った感覚が車に出ている」と賞賛した。

山内氏が開発に協力したGT-Rの「マルチファンクションメーター」

山内氏が開発に協力したGT-Rの「マルチファンクションメーター」(写真左上側)

 山内氏がGT-Rの実車開発において協力したのは、カーナビ用液晶ディスプレーに表示する「マルチファンクションメーター」機能のデザインだという。従来は計器板に表示していた情報を、液晶ディスプレー上にさまざまな表示方式やレイアウトで表示して操縦者を補助するというこの機能は、最新の航空機で広く利用されている。GT-Rはカーナビ用ディスプレーにその機能を持たせて、車両のさまざまな情報(速度、エンジン回転数から、オイルの温度や圧力、アクセルやブレーキの使用履歴)を、ドライバーの設定したレイアウトで表示できるという。ドライバーの操作を妨げずに適切な情報を提供するユーザーインタフェースデザインと考えれば、ゲーム開発者である山内氏の力を借りるというのはいいアイデアかもしれない。

開発中のマルチファンクションメーターの例

開発中のマルチファンクションメーターの例

完成版のマルチファンクションメーター

完成版のマルチファンクションメーター。分かりやすく、かつスタイリッシュだ

マルチファンクションメーターはユーザーが自由に表示するパネルを変えられるのが特徴

マルチファンクションメーターはユーザーが自由に表示するパネルを変えられるのが特徴

アクセルやブレーキ、油温など細かい情報まで表示できる

アクセルやブレーキ、油温など細かい情報まで表示できる。最新鋭のスポーツカーにふさわしい機能だ

 また、水野氏は今後のコラボレーションについても言及。ゲームの技術が車に取り入られたように、今後はインターネットの技術が取り入れられていくとの見方を示した。さらに、GT-Rは新しい発想がいっぱい入っており、まだこれから広がっていくものであると述べた。

ガッチリと握手を交わす山内氏と日産のゲストの方々

ガッチリと握手を交わす山内氏と日産のゲストの方々



ゲームが車情報プラットフォームに進化


GT5Pのフロントエンドとなる「My Page」

GT5Pのフロントエンドとなる「My Page」。ここからゲームだけでなく、GT.TVやCar Dealerの機能にアクセスする

 山内氏によるGT5Pの新機能についての説明も行なわれた。中でも注目なのが、「GT.TV」と呼ばれるリアルの映像配信機能だろう。日本のカービデオマガジン「ベストモータリング」の映像や、自動車レース「SUPER GT」の現実のレース映像の配信などが行なわれるという。さらに説明会では、英BBCで放映されている自動車番組「TOP GEAR」の映像もGT.TVで配信されることが新たに発表された。山内氏はパソコンに対する映像配信プラットフォームとしてのPS3の利点として、“テレビにつながっていること”と“ハードウェア性能が高いレベルで平均化されている”点を挙げた。テレビで見る高画質な映像コンテンツを配信するプラットフォームとしては、PS3の方が利点が大きいというわけだ。

自動車に関するさまざまな映像コンテンツが配信される「GT.TV」

自動車に関するさまざまな映像コンテンツが配信される「GT.TV」。自動車雑誌の映像コンテンツやレース中継など、多彩なコンテンツが楽しめる

GT.TVで配信される「ベストモータリング」のサンプル

GT.TVで配信される「ベストモータリング」のサンプル。日本では放送されない英「TOP GEAR」の映像も配信されるなど、プラットフォームとしての機能も充実していく

 また、自動車関連のコンテンツは地上波放送ではあまり流されず、セルDVDでも大きな売り上げは期待できないものが多いが、オンデマンド映像配信なら多くの視聴者にリーチできる可能性があるとして、その隙間を「(GT5Pで)映像配信で埋める」と述べた。実際に、三菱自動車(株)の「ランサーエボリューションX」に関するファーストインプレッション映像を、24日20時からGT.TVで配信開始するとのことだ。

 そのほかにも、オンラインでデータをアップデートできる「Car Dealer」機能では、自動車会社が車のCMやショールーム映像を配信したり、ゲーム内での試乗が行なえるという。さらに、過去の自動車に関する映像や画像などを閲覧できる「MUSEUM」機能なども実装。車の魅力を持続的にユーザーに伝えるために、さまざまな機能を盛り込んでいることが語られた。

「Car Dealer」の機能では、車に関するCMや情報、ゲーム内での試乗などが行なえる

「Car Dealer」の機能では、車に関するCMや情報、ゲーム内での試乗などが行なえる

 山内氏は最後に「GTライフ」という言葉を使い、ネットワークを通して自動車メーカーやメディア、ユーザーがGTの世界に入ってくるとした。そして、「GTの世界を(自動車産業に関わる)皆さんと作っていきたい」と述べて、自動車産業界からの協力が広がることに期待を示した。

 なお、GT5Pのプレイレポートについては、追って掲載する予定である。

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