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最新パーツ性能チェック 第203回

M.2タイプSSD「M8PeG」の気になる温度を徹底検証

2016年10月09日 15時00分更新

文● 藤田 忠 編集●北村/ASCII.jp

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M.2スロット位置の異なるマザーボードで
ヒートシンク装備の「M8PeG-08」を試す

 M.2スロットへのエアフローが良いASUS「H170 PRO GAMING」で、最高温度が60度になったヒートシンク装備の「PX-256M8PeG-08」。続いてはM.2スロットの位置が異なる複数のマザーボードを用意し、さまざまなシチュエーションでの最高温度をチェックしてみた。

 テストに使用したパーツは下記の通りで、マザーボードはLGA2011v3を1種類、LGA1151を2種類追加。温度の計測条件はヒートシンク有無の計測時と同じだが、より実使用時に近づけるために、「PX-256M8PeG-08」にOSをインストールしている。

テスト環境
CPU Intel「Core i7-5960X」
(3GHz/TB時3.5GHz、8コア/16スレッド)
Intel「Core i7-6700K」
(4GHz/TB時4.2GHz、4コア/8スレッド)
マザーボード ASUS「RAMPAGE V EXTREME」
(Intel X99 Express)
ASRock「Z170 Extreme4」
(Intel Z170 Express)
ASUS「Z170M-PLUS」
(Intel Z170 Express)
メモリー G.Skill「F4-3000C15Q-32GRK」
(PC4-24000、8GB×4/×2)
SSD PLEXTOR「PX-256M8PeG-06」(M.2 256GB)
PLEXTOR「PX-1TM8PeY」(PCIe 1TB)
ビデオカード ASUS「ROG STRIX-GTX1080-O8G-GAMING」
(GeForce GTX 1080)
電源ユニット Seasonic「SS-750KM」
(750W/80PLUS GOLD)
OS Windows 10 PRO(64ビット)

CPUクーラーやVGAクーラーからの
エアフローが大事なNVMe SSD

 手始めはLGA2011v3プラットフォームのASUS「RAMPAGE V EXTREME」だ。発売がM.2スロットタイプのNVMe SSD登場前となる2014年9月とあってM.2スロットは、あまりエアフローが考慮されていない位置にある。

LGA2011v3マザーボードのASUS「RAMPAGE V EXTREME」。M.2スロットは24ピン電源コネクターやメモリースロットなどに囲まれている

 「RAMPAGE V EXTREME」は、テストに使用したビデオカードのASUS「ROG STRIX-GTX1080-O8G-GAMING」が、良い感じにM.2スロットに被るため、VGAクーラーのセミファンレス機能の有効(ファン停止)、無効(ファン回転)時で温度を計測してみた。

RAMPAGE V EXTREMEでのSSD温度(単位:℃)

 テスト中は当然ながらGPUは低負荷状態。そのためVGAクーラーのヒートシンクフィンを通った風でも熱されておらず、ファン停止時と回転時では最高20度も違っている。

 ただ、ゲーミング中にVGAクーラーからの排気温度が上昇すると、M.2スロットへ熱風が吹き付けられることになるので、難しいところ。この辺は、よりビデオカードの影響を受けやすいPCI Express ×16スロット直下にM.2スロットを備えるマザーボードで試すことにした。

構成・用途次第では問題なし!?
ビデオカード直下タイプのマザーボード

 続いては、テスト環境をPC自作の定番プラットフォームとなっているLGA1151に変更。ビデオカード向けのPCI Express ×16スロットの下にM.2スロットを備えるZ170搭載マザーボードのASRock「Z170 Extreme4」で温度をチェックしていこう。

ビデオカード向けのPCI Express ×16スロット直下にM.2スロットを備えるASRock「Z170 Extreme4」。内部排気タイプのVGAクーラーでは、ゲーミング中に熱風を浴びることになる

 まずビデオカードを搭載していない状態で試してみると、最高温度は65度とまずまずの結果に。これはCPUクーラーに使用したトップフロータイプのインテル「TS15A(BXTS15A)」からのエアフローが要因。

 従来のCPU付属クーラーと比べて大型化している「TS15A(BXTS15A)」は、高さもありビデオカード非搭載時は、M.2スロットに良い感じに風を吹き付けていた。

 サイドフロータイプのENERMAX「ETS-T40F-TB」(ファン回転数1500rpm前後)も試したところ、アイドル状態で6度アップ。

 「CrystalDiskMark 5.1.2」実行中に至っては、サーマルスロットリングが発生する77度になってしまった。

 同じエアフローのない状態のなかでも、最も高くなってしまったのは、PCI Expressスロットとチップセットヒートシンクに周りが囲まれているのが要因かもしれない。

 なお、「ETS-T40F-TB」搭載ファンの回転数を1800rpmまでアップさせ、風量を増やしてみたが、ヒートシンク側面からの風量はあまり増えず、アイドル、最高温度ともに差は出なかった。

CPUクーラーの違いによるSSD温度(単位:℃)

トップフロータイプのLGA1151向けのインテル純正CPUクーラー「TS15A(BXTS15A)」。PWMに対応する回転数1000~3850rpmのファンを搭載

ASRockのファンコントール制御下(スタンダード設定)では、CPUアイドル状態でも2500rpm前後と高回転だったのもあり、ヒートシンクフィンから斜め下にエアフローが生まれ、良い感じにM.2スロットにあたることに

120mmファンを搭載するサイドフロータイプのENERMAX「ETS-T40F-TB」。ヒートシンク側面からのエアフローはあるが、M.2スロットの上を通ってしまう感じだ

 続いてはビデオカードを搭載した状態。CPUクーラーは「TS15A(BXTS15A)」を使用したが、エアフローがビデオカードに遮られるため、ベンチマークを1回実行しただけで温度は70度を超え、最高は76度になった。

 ただ、ビデオカードのセミファンレス機能をオフにすると、最高温度は59度までダウンした。ビデオカード搭載時に、動画エンコードなどの作業を行なう際は、セミファンレス機能をオフにするのも手だろう。

VGAの有無によるSSD温度(単位:℃)

ストレージへのアクセスが少なくても
60度近くまで温度は上昇

 VGAクーラーに被る位置にM.2スロットを備える「Z170 Extreme4」の最後は、ビデオカードからの排気の影響をチェックした。

 高負荷時の排気温度は60度を超えてしまう「GeForce GTX 1080」で「3DMark」を20分間ループさせると3DMark実行中のストレージアクセスは少ないにも関わらず、最高温度は59度に達してしまった。

 ストレージへのリード・ライトが多いゲームでは、さらに高くなる可能性が大きいので、PCI Express ×16スロットの直下にM.2スロットを備えるマザーボードで、NVMe SSDを使ったゲーミングPCを組む際は、注意が必要と言える。

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