マイクロソフト・トゥディ 第198回
Office 365、Apache Kafka / DataFu、Voldemort - MSのLinkedIn買収は何を変えるか
2016年06月30日 10時00分更新
米マイクロソフトが、ビジネスソーシャルネットワーキングのLinkedInを買収すると発表した。
買収金額は262億ドル(約2兆7000億円)と、Skype買収時の約85億ドル(約8719億円)、Nokia買収時の約75億ドル(約7693億円)を超え、同社としては過去最大規模の買収となる。
マイクロソフトでは、今回の買収を「世界のリーディングクラウドプロフェッショナルと、プロフェッショナルネットワークの統合」と表現。マイクロソフトが持つクラウドサービスやOfficeユーザーの資産と、ソーシャルグラフを核としたLinkedInのソーシャルメディアサービスとを組み合わせることによって、新たなサービスの創出につなげることが狙いとみられる。
マイクロソフトが手に入れたかったのは、SNSの技術というよりも、LinkedInが持つ「プロフェッショナルネットワーク」だ。米国を中心とした全世界4億3300万人のLinkedIn利用者の顧客資産を活用して、Dynamics CRMとの連携による個人のソーシャルセリングとしての活用、組織づくりにおけるリーダーを担う人材に関するインサイトなどのデータ提供といったサービスを創出できる。また、ニュースフィードサービスの提供や、LinkedInのデータとCortanaとの連携による新たな利用環境の実現、さらには、研修サービスやラーニング面においても連携などが図れるとしている。
「地球上のすべての個人とすべての組織が、より多くのことを達成できるようにする」
マイクロソフトが、過去最大の金額でLinkedInを買収した理由を探っていくと、「人」にたどり着く。
というのも、LinkedInの最大の資産は、先にも触れたように全世界4億3300万人のプロフェッショナルネットワーク。「人」が資産となったサービスである。
一方、現在、マイクロソフトが掲げているミッションステートメントは、「地球上のすべての個人とすべての組織が、より多くのことを達成できるようにする」(Empower every person and every organization on the planet to achieve more)ということ。これは、サティア・ナデラCEOが、2014年2月にCEOに就任したときに掲げたミッションステートメントであり、企業の生産性を高めるとともに、個人の生活を豊かにすることが、マイクロソフトの役割であることを明確化したわけだ。
そして、このミッションステートメントの実現に向けて重視したのが、「人」を中心とした考え方の徹底だ。
日本マイクロソフトでは、「PCを核とした考え方から、人を核とした考え方へ」を重点施策のひとつに打ち出しており、そこからも人を中心とした施策を推進する姿勢が裏付けられる。
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