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マイクロソフト・トゥディ 第199回

マイクロソフトは、オープンソース企業である

2016年07月07日 10時00分更新

文● 大河原克行、編集●ハイサイ比嘉

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オープンソースソフトウェアを開発してよりよいものを使ってもらう

 マイクロソフトとオープンソースは、実は緊密な関係がある。

 クラウドプロバイダーでは、アマゾン ウェブ サービス(AWS)やGoogleが、オープンソースに積極的に取り組んでおり、Windowsを持つマイクロソフトは、むしろ、プロプラエタリのイメージが強い。

 だが、日本マイクロソフト クラウド&エンタープライズビジネス本部 OSS戦略担当部長の新井真一郎氏は、「マイクロソフトは、プロプラエタリの会社ではない。そして、オープンソースが好きなだけの会社ではない。今や、オープンソースソフトウェアを開発する会社である。もはやオープンソースの世界の中に存在する会社である」とした。

日本マイクロソフト クラウド&エンタープライズビジネス本部 OSS戦略担当部長の新井真一郎氏

 そして、「AWSをはじめとするクラウドベンダーと異なるのは、オープンソースソフトウェアを開発してよりよいものを使ってもらうという姿勢を持っている点。そして、AWSやGoogleでは、オープンソースを活用しながらも独自のPaaSを提供しようと考えており、結果としてロックインするような環境になってきている。その点ではマイクロソフトは、オープン性を最も大切にしているクラウドプロバイダーといえる」と強調する。

「AWSやGoogleでは、オープンソースを活用しながらも独自のPaaSを提供しようと考えており、結果としてロックインするような環境になってきている。その点ではマイクロソフトは、オープン性を最も大切にしているクラウドプロバイダーといえる」

マイクロソフトのオープンソースへの取り組みを紹介している「Microsoft Openness」(http://www.microsoft.com/en-us/openness/default.aspx)

 マイクロソフトでは、C#からHadoopを呼び出せる環境を提供していることや、C#とApache Sparkを連携する「Mobius」を開発。SparkとAzure Data Lake Storeを連携し、リアルタイムデータをSparkからPower BIでつないで分析するなど、オープンソースに積極的に取り組んでいるいくつかの例を挙げてみせる。

 実際、Azureにおけるオープンソースの活用は、想像以上に進んでいる。

 現在、Azureにおける仮想マシンの1/4がLinuxで稼働。日本では、その比率が1/3を占めており、むしろ世界的にも進んでいるという。

 「仮想環境におけるLinuxの比率は、2014年には20%であったものが、2015年には25%、2016年には28%に増えている。これが、日本ではすでに30%を超えている状況にある。数年後には50%を超えることを目指したい」(日本マイクロソフトの新井氏)と語る。

日本におけるAzureの提案では、Red Hatの活用に力を注いでいくことが大切

 北米では、Red Hat Enterprise LinuxやUbuntsu Server、Oracle Linux、CoreOS、openSUSE、SUSE Linux Enterprise Server、CentOSの7種類のディストリビューションでサービスを提供。日本ではこれにAsianuxを加えた8種類のLinuxディトリビューションが利用可能になっている。

北米では、Red Hat Enterprise LinuxやUbuntsu Server、Oracle Linux、CoreOS、openSUSE、SUSE Linux Enterprise Server、CentOSの7種類のディストリビューションでサービスを提供。日本ではこれにAsianuxを加えた8種類のLinuxディトリビューションが利用可能

 「日本は、米国市場に次ぐRed Hat大国。また、日本はオープンソースを意識せずに利用しているユーザーも多い。Linuxであることもそれほど意識していない。Red Hatもオープンソースであることを意識せず活用しているケースが少なくないことが実状であり、日本において、Linuxが先行的に利用されている理由もここにある。日本におけるAzureの提案では、Red Hatの活用に力を注いでいくことが大切だ」と続ける。

 また、Azureで新たにデプロイされるものは、1/2がLinuxであり、Azureマーケットプレイスの6割がLinux。マウスを数クリックするだけで、オープンソースソフトウェアを活用しながら、Azureサービスをデプロイできる環境が整っているという。

 そしてマイクロソフトには、DockerやApache Cordovaなど、2000にのぼるオープンソースコミュニティに参加している実績がある。

 「2014年に、Windows AzureからMicrsoft Azureへと名称を変更したのも、AzureはWindowsだけでしか動かないという、誤ったイメージを払拭する狙いがあった。依然として、Windowsしか動かないと思っているユーザーは多いが、数字の上からもオープンソースへの取り組みが進展していることを理解してもらえるだろう」とする。

AWSの2.5倍、Googleの7倍の規模

 オープンソースソフトウェアを活用する環境においてAzureが採用されている理由として、日本マイクロソフトが挙げるのが、Azureに対する信頼性の高さだ。

 Azureを支えるデータセンターは、世界最大のハイパースケールクラウドを実現しており、AWSの2.5倍、Googleの7倍の規模を誇るという。「全世界で32地域で展開することを計画。すでに24施設が稼働している。日本においては、首都圏と関西圏にデータセンターを持っており、日本のユーザーに対しては、遅延が起こりにくいという環境に加えて、国内だけでバックアップ環境を実現できる。デジタルトランスフォーメーションを実現する上で、有効な環境を整えている」とする。

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