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肉食ナベコの「なんでも食べてみる」 第112回

ざるそばのつゆで全国をめぐってみた

2016年05月31日 17時00分更新

文● ナベコ

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 夏はざるそばがおいしい!

 おそばは、日本食の定番中の定番。当然のように全国的に食べられていますが、実は“そばつゆ”の嗜好は各地で少しずつ異なります。

ローソンのそばつゆはエリアごとに味が違う

ローソンの「ざるそば・いなりセット」(460円)

 ローソンでただいま販売中の「枕崎産鰹荒本節だし ざるそば」(330円)と「ざるそば・いなりセット」(460円)は、全国を7つのエリアにわけ、そばつゆの味に変化をつけています。それぞれ、実際にその地方で食べられている味をもとに個性をつけているとのこと。

全国7エリアでそばつゆの味が違う!

 とはいっても、そばつゆに味に違いがそんなにあるものでしょうか? 気になりますよね!

 アスキーの食担当のナベコが全国の味を飲み比べてみましたよ。 

通常は各エリアでしか販売していない全国のそばつゆを集めました。飲み比べてみます!(これまでお酒を飲み比べる記事など手掛けてきましたが、今度はそばつゆです……)

私は生まれも育ちも東京。いわゆるシティガールです。江戸っ子というとそば好きと言いますよね、うふふ。とはいっても、埼玉との境目ですが。江戸じゃない。

関東と東北は似てる! 北海道はこんぶだしで上品

 エリアはざっくりと“北海度”、“東北”、“関東”、“中部”、“近畿・北陸”、“中国・四国”、“九州”で7つ。イレギュラー的に沖縄は中部エリアの味で販売されます。

<関東>

 まずは自分が住んでいるエリアである関東のそばつゆから飲んでみました。ちなみに私は、生まれも育ちも東京の生粋の関東人です。

【関東】●だし かつお荒本節、さば枯節 ●醤油 濃口、再仕込 ●甘味 煮切みりん、上白糖

 関東はやはりなじみがあるので、「これぞ」といえる味。カツオだしと醤油の味わいが強いです。“キリリ”と舌に響くほど、かなり濃いですよ。甘さがあまりないです。

 江戸っ子は麺のはじだけ「サッ」とつゆにつけるって言うじゃないですか。関係しているかわかりませんが、だから少量でも満足できるように濃いのかな。

 のちに全部飲んだ上で比べてみても、一番濃い口でパンチがある味わいでした。

ぐびぐびぐび。※塩分をいっきに摂ると大変なことになるので、みなさんくれぐれもそばつゆのいっき飲みはしないように。

<東北>

 次は北上して、東北のそばつゆを飲みましたよ。

【東北】●だし かつお荒本節、さば枯節、利尻こんぶ ●醤油 濃口、再仕込 ●甘味 煮切みりん、上白糖

 飲んで瞬間的に「関東と同じ!」と感じました。そばつゆ全国めぐりといっても結局は味に差がない、そんなことが!?

 いやいや、そんなことあるはずないと注意深く味わい比べてみると、東北のほうが少し甘く、こんぶの味を感じました。

 成分を見ると東北はだしに利尻こんぶを使っていますね。それでも関東とは味わいが近く、注意してようやく差がわかるという感じです。

 うーんやはり、そばつゆってそんなに差が出ないのではないでしょうか。

<北海道>

 さらに北上して北海道のそばつゆを飲んでみました。

【北海道】●だし かつお荒本節、さば枯節・利尻こんぶ ●醤油 濃口、再仕込 ●甘味 煮切みりん、上白糖

 「お」。これは意表をつかれた「お」です。明らかに味わいが今までの関東、東北と違います。

 特徴はこんぶだしの味わい。利尻こんぶを使っているのは東北と同じですが、さらに甘く、しょうゆよりもだしの味わいが際立っていて、上品。

 新鮮ないくらやウニに少し垂らしたいような、北海道ならではの気品を感じましたよ。

中部は飲み物としてもイケている!?※個人の感想です。

 さて、北海道に明確な味の違いがあって、各エリアのそばつゆに個性があることが身に染みてわかってきました。少し口の中がしょっぱくなってきましたが、お次は関東から西の地域にいってみましょう。

「今までそばつゆだけで飲んだことなかったけど、そばがなくてもおいしい!」※みなさんくれぐれもそばつゆのいっき飲みはしないように。

 てっとり早く中国・四国エリア、近畿エリア、中部エリアのそばつゆをいっきに飲んでみました。ちなみに北陸は中部ではなく近畿に含まれます。

 中国・四国「ほへ~」

 近畿「ほお」

 中部「うおおっ!」

 いずれも関東のそばつゆ比べると、やや甘くてまろやか。その中にも区別があります。だいぶあります。

<中国・四国>

 中国・四国は関東にやや近く、けっこう濃いめの味わいです。このまま調味料として使えそうなくらい。

【中国・四国】●だし かつお荒本節、さば枯節、利尻こんぶ ●醤油 濃口、再仕込 ●甘味 本みりん、ざらめ

 まろやかに感じるのは、“ざらめ”の甘みがかぶさってきているので少し中和されるからでしょう。おいしいです。

<近畿>

 実をいうと一気に飲んだ、中国・四国、近畿、中部のそばつゆは、いずれも少し似ています。その中でも落ち着きがある味わいといえるのが、近畿。

【近畿(北陸含む)】●だし さば節、宗田鰹節、かつお荒本節、うるめ節、利尻こんぶ ●醤油 濃口、再仕込 ●甘味 本みりん、ざらめ

 甘みがふくよかでうまみが強く、私のアタマの中には切り干し大根を煮た時のおつゆの味が広がりました。わかりづらいかもしれませんが。さば、かつお、うるめ、こんぶとだしをあれこれ使っているので、複雑味があります。おいしいです。

<中部>

 特筆すべきは中部のそばつゆ。香りが華やかで、だしのききかた、濃さ、甘さのバランスがよいです。黄金比といえるほど。

【中部(北陸のぞく)/沖縄】●だし かつお荒本節・さば節うるめ節、しいたけ、利尻こんぶ ●醤油 濃口、たまり ●甘味 煮切みりん、上白糖

 くっきりした味わいで、おいしいです。個人的には飲みものとしても一番優秀と感じました。繰り返しますがおいしいです。

 沖縄も中部エリアに含まれますが、実は沖縄に限っていうとざるそばの文化がない。そこで沖縄の方がどのエリアの味が好みか比べてみたところ、選ばれたのが中部のそばつゆだったそうです。私は沖縄の人の味覚とあっているのかもしれません。

お水をグビグビ。「さすがに喉が渇いてきました」※みなさんくれぐれもそばつゆのいっき飲みはしないように。

九州は「そばつゆ!?」 関東の味と全然違う

<九州>

 最後は九州のそばつゆ。

【九州】●だし かつお荒本節、しいたけ、利尻こんぶ ●醤油 九州醤油 ●甘味 煮切りみりん、上白糖

 見た目からして、九州は一番色がうすめ。味もびっくりでした! これもそばつゆなんだ、と。

 7つのエリアで一番、だしの味わいが豊かに感じられて甘さもしっかり。少し薄めておうどんのおつゆにしてもおいしそうです。私の中ではおいなりさんの味付けに近いなと感じました。あくまで関東圏のおいなりさんになりますが。

「全エリア飲んだけどやっぱり中部のそばつゆが好みだな~。中部に行かなきゃ!」※みなさんくれぐれもそばつゆのいっき飲みはしないように。

 ローソンのそばつゆ全国巡り、予想していたより各エリアで味の違いがありました。出張や行楽で遠出するときには、いつもと違うそばつゆの味を試してみてはどうでしょう!

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ナベコ

寅年生まれ、腹ぺこ肉食女子。特技は酒癖が悪いことで、のび太君同様どこでも寝られる。30歳になるまでにストリップを見に行きたい。Facebookやってます!

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