撮影データで見るα7RII
実際に撮影したデータとともに使い勝手をチェックしていこう。42MPになったことで、気になるものは手ブレだ。
その対策として5軸手ぶれ補正を採用している。カタログスペックによると最大4.5段となっており、おおよそのシーンは手持ちでいいと判断できる。
また、筆者のテストでは1/60までは安全なラインと判断した。ガッシリ構えた場合は1/30でも問題なさそうだったが、50mm付近までの話で、それ以上となると手ブレ補正機能があっても厳しく感じた。
ISOを見ると、ISO 100~25600(拡張:下限ISO 50、上限ISO 102400)となっている。α7Sっぽい雰囲気を持つが、暗所に対して強いとされる裏面照射CMOSになった結果だろうか。
使用していた限りでは、ISO 6400までが実用範囲と判断した。ただノイズの出を見ていると、ISO 12800でもOKとも感じている。出力先やリサイズするかしないかといった部分もあるので、これもスタイル次第になるだろう。
以下では撮影したデータをリサイズをせずに掲載(クリックで原寸表示)している。α7RIIでの設定で変更したのはDROをオフにした点で、基本的にJPEG(エクストラファイン)にしている。
一部、RAWを「Capture One for Sony」でストレート現像したものも含まれているため、該当サンプルについてはキャプションで触れている。
399点の像面位相差AFセンサーはAF-Cの追従性もよく、ファストハイブリットAFらしいAF速度も十分だ。コントラストAFのみのα7Rを敬遠していたのであれば、店頭でフォーカス性能を重点的にチェックしてほしい。
また瞳AF/顔検出もAF-Cに対応しており、スローな展開のポートレートには耐える部分はある。ただコミケで撮影していた際、カラーコンタクトに対して瞳AFがスタートしないことがあった。この点はソニーに報告済みだったりするが、逆にどういった仕様から瞳を検出しているのか気になってしまった(コミケはプライベートで参加だったので、該当する写真については筆者のFlickrを漁ってほしい)。
42MPとどう向き合うか
5軸手ブレ補正や見やすくなったEVF、微調整が加わった本体はコンパクトでフルサイズなボディーとして、完成された感が強い。
道具感が高まったというべきだろうか。そのため、外観からはソニーっぽさを少なく感じてしまった。中身については、やはり裏面照射CMOSで4240万画素と、ソニーらしい尖った部分がある。
撮影する場合、画素数は多いほうがいいのか。ここ最近の話題のひとつでもあるが、解像度が高い=正義ではないのは確かだ。単純にファイルサイズが大きく管理が大変でもあるし、42MPを活かせる出力先がごくわずかというのもある。
視点を変えると、クロップしても20MPといったメリットがあるので、望遠でも寄れないシーンでの撮影に適するかもしれない。
なかなか難しい部分だ。筆者の場合だと、普段は24MPあれば、やはり十分と思ってしまったのだが、研究施設などの撮影の場合はα7RIIがほしくなってしまった。
普段、風景ばかりというのであれば、迷わずα7RIIで幸せだと思われるが、ポートレート中心だとすると、レリーズラグやEVFの遅延、α7からまったく改善されないスポットAFなどの理由から、適性は低い。
自分がよく撮影するジャンルと、年間の出番から逆算して、α7RIIがいいか考えてみるといいだろう。初動買いするにしては、価格高いため、そのあたりは慎重になってもいい。
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