コンパクトなフルサイズのデジタルカメラとして、一定の人気を保ち続けている「α7」シリーズ。気がつけば、α7、α7R、α7s、α7IIと登場し、2015年8月には「α7RII」(ボディーのみの実売価格 47万円前後)が登場するまでに至った。
少しおさらいしておくと、α7とα7IIはスタンダードで、α7Rとα7RIIはローパスレスで画素数の高い、いわば画質重視。α7Sは高感度に優れるといった住み分けがなされている。
なお、α7RIIは有効約4240万画素の裏面照射型CMOSセンサーを採用。センサーはもちろんフルサイズだ。
今ではデジタルカメラで撮影したJPEG/RAWをPCで処理することは、すっかり当たり前になり、また撮影時にしてもテザー撮影があるため、周辺機器でもいいんじゃね? ということで、今回はα7RIIをチェックしていく。
RAWファイルは1枚あたり42MB(JPEGはエクストラファインで24MB前後)とストレージをもりもりと食い尽くすあたり、NASやSDメモリーカードをはじめとして、ほかの周辺機器も気になってしまう沼の入口でもある。
ボディーレイアウトはα7IIベースで
フルマグネシウムに!
まずはボディーから見てみよう。レイアウト自体はα7IIから変更点は少なく、マイナーチェンジが施されているといった感じだ。
ただ、重量はバッテリーとストレージ込みで約625gと、α7の約474gからは露骨に体感できる重量感になっている。
ボタンレイアウトはほぼα7IIのままとなっており、カスタム設定の数も多く、柔軟に自分用にカスタマイズしやすい。
この点はα7からの進化部分であるので、ピンポイントで使用したい機能がある場合、特に重宝するだろう。たとえば、瞳AFのオンであったり、サイレントシャッターモードへの切り替えであったりだ。
真っ先にマウント部分の部材が気になった読者もいると思われるが、α7S以降はフルメタルになっている。ただそのためか、サードパーティー製マウントアダプターの精度によっては、外せなくなる可能性も高くなっている。
筆者手持ちのフォクトレンダー製「VM-E Close Focus Adapter」と「KIPON C/Y」では問題なく使用できたが、個体差はあるので不具合の可能性は頭に入れておこう。
少しレイアウトを突っ込んでみると、α7IIにも言えたことだが、C1とC2ボタンはシャッターボタンから遠い位置にあり、EVFを覗きつつ、ささっとC1かC2ボタンを押してシャッターといったアクションは苦手だ。
そのため、C3か中央ボタンに主だった機能を割り振るといった人が多いのではないだろうか。風景の場合はそうでもないが、タイミングのあるシーンをよく撮影するというのであれば、この点は店頭でよくチェックすべきだ。
次にシャッターボタン。ストロークは非公開になっているが、かなり深い。またレリーズラグも0.1秒近く(体感)とあるため、表情を狙うことの多いポートレートには不向きだ。
いくつかの機能をオフにしてレリーズラグを短くするオーバードライブ機能のようなものがあればいいのだが……。
ついでに言うと、ファームウェアのレイアウトはα7から変わっておらず、項目が増えている結果、検索性が酷く悪い。そういった事情も含めて、現状のファームウェアベースで見ると、それほど急かされない被写体中心であれば、OKといったジャッジをしている。
価格も安いものではないので、ソニーがユーザーからのフィードバックをどう処理するつもりなのか気になるところだ。
(次ページに続く、「細かい進化をチェック! 電源オンでもUSBからの給電が可能に! 」)

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