Windows 10“発売”記念イベントの開催は?
では、7月29日に、Windows 10“発売”記念イベントが開催されるのだろうか。
日本マイクロソフトが“発売”という言葉を使っていない限り、“発売”記念イベントは成り立たないのだが、このタイミングで、Windows 10搭載PCやのタブレットが、メーカー各社から出揃えば、何かしらのイベントが実施される可能性がある。
だが、振り返ってみると、2012年のWindows 8の発売時には、東京・秋葉原のベルサール秋葉原で、発売前日から前夜祭を開催したのを皮切りに、深夜のカウントダウン発売、量販店での発売セレモニー、ユーザー向けイベントの開催など、各種イベントが相次いだものの、2013年10月のWindows 8.1のときには、プレス向け発表イベントだけを開催。しかも、これは全世界でみても日本だけ行われた特例のものだった。また、深夜発売も、東京・秋葉原のドスパラ パーツ館が、唯一実施しただけだった。
市場を盛り上げられるチャンスがいくつかある
実は、日本マイクロソフトは、Windows 8.1のときにも、“発売”という言葉を使わずに、「アップデート」という言葉を使っていた。今回発表した、Windows 10の7月29日も、“発売”ではないことを考えると、やはりイベントは開催しにくいのもかもしれない。
日本マイクロソフトでは、7月29日のイベント開催については「現時点では未定。ただ、過去のローンチを真似たアプローチを行うという前提もない。Windows 10は当社が進めているトランスフォーメーション(変革)の象徴であり、前例にとらわれずに、様々なアプローチを検討している」と語る。
確かに、Windows 10の場合は、アップグレードの提供開始のタイミング、Windows 10搭載PCが出揃うタイミング、そして、PCやタブレット以外のデバイスにもWindows 10が広がるタイミングといったように、市場を盛り上げることができるタイミングがいくつかあるという点も見逃せない。これも、前例が当てはまらない理由のひとつだ。
そうなると、モバイルデバイス向けの投入は、今年後半となることから、その時期に改めてなにかしらのイベントが開催される可能性はありそうだ。
もちろん、日本マイクロソフトにとっては、最初にWindows 10が市場に提供されることになる7月29日に、最大のインパクトを持って行きたいのは確かだろう。だが、日本マイクロソフトにとって、タブレットやスマホなど、これから攻略すべき市場向けにデバイスが出揃ったタイミングで仕掛けることも、重要なマーケティング施策になることは容易に想像できる。
年末商戦に市場を盛り上げたい、業界関係者
実は、業界関係者の間からは、なるべく年末商戦に近いところで、市場を盛り上げたいとの声もある。需要のピークにあわせたいからだ。Windows XPのサポート終了に伴う、買い換え需要の反動もあり、いまのタイミングで、PC市場を盛り上げても時期尚早。効果は限定的というのも事実だろう。しかも、Windows 7やWindows 8のユーザーは、無償でWindows 10にアップグレードでき、デバイスの買い換え需要も限定される。その点でも、盛り上がりのピークを年末商戦向けに持って行ったほうが得策だともいえそうだ。
Windows 10という市場活性化の切り札は、年末までじっくりと引きつけてから切るというのも、ひとつの手段になりそうだ。
この連載の記事
-
第215回
PC
「クリエイティブ」に向かうWindows 10とSurfaceファミリー -
第214回
PC
日本企業の変革を象徴、世界最大規模の「Office 365」大型導入 -
第213回
PC
資生堂、オンライン会議中の顔を美しく見せる「Tele Beauty」を開発 -
第212回
PC
女子高生AI“りんな”は母親思いのカープ女子!? 自分の子供より返事が多いというユーザーも -
第211回
PC
Office 365が3ヵ月無料試用OK、セットアップも支援 - 働き方改革週間締め切りは9月30日 -
第210回
PC
Windows 10企業導入の障害は、WaaS(Windows as a Service)と180日ルール -
第209回
PC
アクア、DMG森精機 - IoTの協業発表が相次ぐ日本マイクロソフト -
第208回
PC
MS SQL Server 2016は、オラクルの牙城をいかに崩すか、PostgreSQLにどう対抗していくのか -
第207回
PC
起死回生の製品になるか? 「Microsoft Dynamics 365」 -
第206回
PC
2096名で挑む大規模ライフハック! - 日本マイクロソフトが掲げる”本来”のテレワーク -
第205回
PC
日本MSが開催イベント名称・内容を再編 - グローバルイベントとの名称統合を実現してほしい - この連載の一覧へ