プロなら、15インチ「MacBook Pro」か「VAIO Z Canvas」か
「VAIO Z Canvas」レビュー - これが実用タブレットの最高峰だ
ペン入力の描き心地は文句ナシ!
続いて、「VAIO Z Canvas」でペン入力を試した感想を紹介しよう。付属のデジタイザースタイラス(ペン)は、すでにVAIOシリーズではおなじみのもの。デジタイザーはN-Trig製で筆圧感知はハードウェアで256段階、さらにソフトウェアを利用することで1024段階に対応する。
ペン入力を行なう液晶ディスプレーのサイズは12.3型で、解像度は2560×1704ドットだ(画素密度は約250ppi)。アスペクト比は3:2で、一般的な16:9の液晶ディスプレーと比べて幅が狭くなっている。だが一般的なオフィス用紙の比率(√2:1≒3:2.12)に近いため、紙の判型をイメージしながら描けるのは大きなメリットだ。
ペン入力時の追従性については問題なく、ストレスフリーで利用できた。ただし筆者はイラストについてはまったくの素人なので、プロが感じるとることができる微妙な差異までは判別できていないかもしれない。ただ、これまでさまざまなペン入力対応PCに触れてきた中で、「VAIO Z Canvas」の描き味はトップクラスであると断言できる。
液晶パネルと表面の強化ガラスのすき間を樹脂で満たす「ダイレクトボンディング」を採用していることもあり、ペン入力時の視差はほとんど感じられなかった。下の写真では分かりやすくするためにデジタイザースタイラスを少し浮かせた状態で撮影しているが、液晶ディスプレーの端部分でも、狙った場所でしっかり認識されていた。
「VAIO Z Canvas」では、ソフトウェア面でもクリエイター向けの配慮が感じられる。たとえば本体上面にあるボタンを押すことで、キーボード代わりに使えるショートカットキーメニューが表示されたり、タッチパネルの有効/無効を切り替えたりできる。
ショートカットキーメニューは、細かなカスタマイズにも対応している。たとえばソフトごとに用意されたキーセット(プリセット)を利用したり、自分でショートカットキーの組み合わせを変えることが可能だ。本格的なイラスト制作にはショートカットキーの利用が欠かせないといわれるだけに、これはかなり便利な機能だ。
「VAIO Z Canvas」は、市販のキャリブレーターを使ったソフトウェアキャリブレーションにも対応している。また、色温度のプリセットである「VAIOキャリブレートカラーモード」を利用することで、液晶ディスプレーの色温度をsRGBやAdobeRGBの色校正に使われる「D65(6500K)」や、印刷物の色校正で利用される「D50(5000K)」に素早く切り替えることが可能だ。