音楽市場で定額制ストリーミングサービス躍進
世界でCDが売れているのは日本だけと言ってもいい状況!
2015年05月04日 09時00分更新
『そういえば、あの業界のシェアは結局どこが一番多いんだっけ……?』
そんな疑問を抱いたことがあるすべてのビジネスマンに捧ぐ連載。仕事でも利用できる業界ランキングや業界地図を私、高橋暁子が手っ取り早く紹介します。<連載目次>
日本市場では物理メディア>デジタル
No Music No Life――音楽なしでは暮らせないという人も多いはず。しかし、最近音楽の楽しみ方が大きく変わってきているようだ。国内外の最新の音楽配信サービス市場をチェックしてみよう。
日本レコード協会の「2013年度音楽メディアユーザー実態調査報告書」(2014年3月)によると、新品CD購入率は30.7%、有料音楽配信・着うたフル購入率は10.9%、CDレンタル率は18.4%となっていた。
つまり、日本ではやはり新品CD購入率が圧倒的に高いのだ。前回同様、新品CD購入率>CDレンタル率>有料音楽配信・着うたフル購入率という順番は変わらない。新品CD購入市場は中学生から20代社会人のシェアが38%と最も高く、有料音楽配信市場は30~40代が55.2%と半分以上を占めている。
さらに同協会によると、2014年のレコード及びCDの販売枚数は2億2598万9000枚であり、販売金額は2541億7600万円だった。一方、同年の有料音楽配信のダウンロード数は1億9653万9000回、販売金額は436億9900万円だった。
つまり、金額ベースで見た日本音楽市場は物理メディア>デジタルであり、比較すると約6:1もの開きがあるというわけだ。
2014年のレコード及びCDの販売数、有料音楽配信のダウンロード数共に、対前年比91%と減少傾向にある。ただし、PC・スマートフォン向けダウンロード数は全体に増加している。
特に、前回にはまだ普及していなかったサブスクリプション系サービス(定額制配信サービス)が前年同期比288%(PC・スマートフォン向け)と急増しており、その結果全体における販売金額は105%と増収となっている。
国内では、LINE MUSIC、AWA、dミュージック、Music Unlimitedなどのサブスクリプション系サービスが多数登場してきており、今後のサブスクリプション系サービス市場の盛り上がりに期待が集まる。また、国内ではハイレゾ配信の売上が増えているという話もあり、音楽業界には朗報だ。
(次ページでは、「世界音楽市場ではデジタル>物理メディア」)
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