日本ではiPhoneが伸び続けている
世界のスマホはAndroid優勢だが日本は変わらずiPhone/iOS
2016年02月22日 09時00分更新
『そういえば、あの業界のシェアは結局どこが一番多いんだっけ……?』
そんな疑問を抱いたことがあるすべてのビジネスマンに捧ぐ連載。仕事でも利用できる業界ランキングや業界地図を私、高橋暁子が手っ取り早く紹介します。<連載目次>
全年代でスマホ所持率は上昇
皆さんはどのようなスマートフォンをお使いだろうか。スマートフォンの所持率やメーカー、OS別のシェアはどうなっているのだろうか。キャリアの伸びなどを最新データで見ていこう。
総務省情報通信政策研究所の「平成26年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」(平成27年5月)を見てみよう。
それによると、平成26年における国内の全年代のスマートフォン利用率は、前年の52.8%から62.3%と約10ポイントの上昇。タブレットの利用率も同じく15.4%から21.3%に増加している一方で、フィーチャーフォンの利用率は51.0%から42.2%と大幅に減少している。
スマートフォンの所持率を年代別に見ると、10代は68.6%、20代は94.1%、30代は82.2%、40代は72.9%、50代は48.6%、60代は18.3%となっており、特に20代の所持率の高さが目立つ結果となった。
前回と同様、10~40代すべてでスマートフォンがフィーチャーフォンを上回っているが、50代、60代ではまだフィーチャーフォンがスマートフォンを上回っている。ただし、50代でもスマートフォン所持率とフィーチャーフォン所持率は拮抗している状態だ。
メーカー別はアップルがトップ
電子情報技術産業協会JEITAによると、2015年11月の移動電話国内出荷台数は190万台で、前年同月比75.9%だった。そのうちスマートフォンは110万8000台で同74.7%。スマートフォンの比率は全体の58.3%となっている。なお、2015年4月~11月の移動電話国内出荷台数は1372万1000台/前年度比102.0%。
BCNランキングによると、2015年1~12月のメーカー別販売台数シェアは、以下の通り。
2015年1~12月のメーカー別販売台数シェア | |
---|---|
メーカー | シェア |
アップル | 61.5% |
ソニーモバイルコミュニケーションズ | 17.2% |
シャープ | 8.1% |
(BCNランキング調べ)
前年と順位は変わらないが、アップルは前年度の55.8%から、ソニーモバイルコミュニケーションズは12.7%からそれぞれシェアを伸ばしている。やはり、アップルの強さが目を惹く結果となった。
世界ではOSトップはAndroidもiOS健闘
OSごとのシェアはどうなっているのだろうか。Net Applicationsによると、2015年12月時点でのモバイルシェアはAndroidが57.3%でトップ。続いて、iOSが35.4%、WindowsPhoneが2.6%、JavaMEが1.8%などとなっている。Android、iOS、JavaMEは増加しており、WindowsPhoneやSymbian、Blackberryはシェアを落としている。
国別に見てみると、Statcounterによる2016年1月時点でのOSのシェアは以下のようになっている。やはりAndroidのシェアが高い国が多いものの、iOSの健闘も目立つ。
国・地域別の携帯電話OSシェア(2016年1月) | ||||
---|---|---|---|---|
iOS | Android | Blackberry | Windows Phone | |
日本 | 66.43% | 32.9% | 0.05% | 0.13% |
アメリカ | 52.9% | 45.05% | 0.24% | 1.35% |
イギリス | 44.64% | 44.49% | 5.68% | 3.5% |
フランス | 33.58% | 61.29% | 0.34% | 3.58% |
中国 | 23.14% | 74.9% | 0.31% | 0.82% |
韓国 | 23.37% | 76.45% | 0.06% | 0.06% |
世界 | 19.58% | 66.28% | 0.98% | 2.16% |
アジア | 11.01% | 70.71% | ―― | 1.56% |
北米 | 47.72% | 49.44% | 0.48% | 1.59% |
欧州 | 28.26% | 64.76% | 1.16% | 4.04% |
(Statcounter調べ)
最後に、キャリア別のシェアはどうなっているのだろうか。電気通信事業者協会(TCA)によると、第3四半期(2015年12月)時点でのそれぞれのキャリアの契約数は以下の通り。ドコモ:au:ソフトバンク=14:9:8となっており、ドコモが大きくリードした状態だ。
では、最後にMVNOの普及率はどうなっているのだろうか。NTTレゾナント調べ(2016年2月)によると、携帯・スマホの全契約のなかで格安スマホが占める割合は、全年代で4.1%と、変更があまり進んでいないことがわかった。
全体に男性のほうが格安スマホ利用率が高く、一番高いのは40代男性の19.7%。年代別では30代、40代が高い傾向にあり、60代はほとんど利用が進んでいない。変更していない理由を見ると、「格安スマホに変更してお得か分からない」「手続き、設定が難しそうだから」などが並んでおり、敷居が高いというイメージが普及率の低さにつながっていることがわかる。
各キャリアの契約数(2015年12月) | |
---|---|
キャリア | 契約数 |
ドコモ | 6960万1600回線 |
au | 4524万900回線 |
ソフトバンク | 3957万6900回線 |
(TCA調べ)
スマートフォンの所持率は伸び続けている。AndroidとiOSの対決と同時に、MVNOの伸びにも今後注目したい。
著者紹介:高橋暁子
ITジャーナリスト、コンサルタント。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、企業などのコンサルタント、講演、セミナーなどを手がける。小学校教員、編集者を経て現在に至る。最新刊『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎エデュケーション新書)の他、『ソーシャルメディアを武器にするための10カ条』(マイナビ新書)、『Facebook×Twitterで儲かる会社に変わる本』『図解 一目でわかるITプラットフォーム』(日本実業出版社)、『ネット業界 儲けのカラクリ』(中経出版)など著作多数。http://akiakatsuki.com/ Twitterアカウントは@akiakatsuki
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