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高橋暁子の「意外と知らない!? 業界ランキング」 ― 第6回

iTunesが3年間で1%から64%まで急上昇、寡占状態に

日本は世界と逆行中!? 音楽配信サービスシェア早分かり

2014年02月10日 09時00分更新

文● 高橋暁子

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 『そういえば、あの業界のシェアは結局どこが一番多いんだっけ……?』
 そんな疑問を抱いたことがあるすべてのビジネスマンに捧ぐ連載。仕事でも利用できる業界ランキングや業界地図を私、高橋暁子が手っ取り早く紹介します。

著者紹介:高橋暁子

 ITジャーナリスト、コンサルタント。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、企業などのコンサルタント、講演、セミナーなどを手がける。小学校教員、編集者を経て現在に至る。最新刊『スマホ×ソーシャルで儲かる会社に変わる本』の他、『Facebook×Twitterで儲かる会社に変わる本』『図解 一目でわかるITプラットフォーム』(以上、日本実業出版社)、『ネット業界 儲けのカラクリ』(中経出版)など著作多数。http://akiakatsuki.com/ Twitterアカウントは@akiakatsuki

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スマホシフトで状況は変化したか?

 皆さんは、音楽をどのように楽しんでいるだろうか。CD、音楽配信サービス、ストリーミングサービスの利用等、様々だろう。音楽配信サービスと言えば、音楽配信サービスの雄であるAppleの「iTunes」、着うたの「レコチョク」などが思い浮かぶ。

 利用端末が従来のフィーチャーフォンからスマートフォンに変わってきていることで、状況は変化したのだろうか。そもそも、音楽市場における音楽配信サービスの割合はどのくらいなのだろうか。合わせて、音楽配信サービス市場におけるそれぞれのサービスのシェアを見ていこう。

CD購入率>CDレンタル率>有料音楽配信購入率

 日本レコード協会発表の「2012年度音楽メディアユーザー実態調査報告書」によると、新品CD購入率は29.4%、有料音楽配信・着うたフル購入率は12.1%、CDレンタル率は21.6%となっている。依然日本ではCD購入者率が一番多く、次いでCDレンタル率が高く、有料音楽配信・着うたフル購入率はCD購入者率の半分以下ということが分かる。

 実は、日本ではCD購入率が圧倒的に高く、有料音楽配信サービスの浸透率はかなり低いところが特徴だ。

音楽配信サービストップは躍進の「iTunes」

 では、音楽配信サービスごとのシェアはどうなっているのだろうか。総務省の平成24年(2012年)版『情報通信白書』によると、音楽配信サービスの利用率はスマホ導入前後で22.8%から31.7%に増えている。

総務省「平成24年版 情報通信白書のポイント」より抜粋

 サービスごとのシェアを見ると、iTunes(64.0%)、レコチョク(13.4%)、LISMO Music(6.7%)、Music.jp(2.7%)、Amazon mp3(1.2%)、mora(0.9%)。e-onkyo musicなど最近人気のハイレゾ系サービス等を含むその他のサービスは11%となっている。

 スマホ導入前は、レコチョク(42.1%)、LISMO Music(16.9%)、Music.jp(12.3%)、iTunesはわずか1.0%となっていた。利用者のスマートフォン移行により、着うたなどは大きく売上を減らし、音楽の利用シーンが変化した。それにより、スマホ導入前後で、レコチョクからiTunesへのシェアの大きな移行が見られるというわけだ。iTunesが人気のiOSから利用できるスマホに最適化されたアプリだったことが、大きな理由として考えられるだろう。

 なお、日本でiTunesへの移行がなかなか進まなかったのは、SONY MUSIC ENTERTAINMENTなどの曲が購入できなかったこと等が影響していると言われている。

 初出時、年を経たシェアの変化と記していましたが、実際はスマートフォン導入前後のシェア変化でした。お詫びして訂正いたします。(2014年8月20日)

日本は世界と逆行している

 このあたりで、世界の音楽市場に目を向けてみよう。

 2012年第4四半期の米国の音楽配信サービスは、iTunesが63%、Amazon mp3は22%となっている。iTunesが圧倒的シェアを誇るものの、2009年の69%、2011年の68%から見るとその比率は低下しつつあり、その分Amazon mp3が伸びていることになる(2008年7%、2009年10%、2010年13%、2011年15%)。

 世界では、CDは売れなくなっている。

 IFPの「Recording Industry In Numbers 2013 Edition」によると、世界のCDなどのパッケージ商品の売上は完全な右肩下がりとなっており、それと反比例して有料音楽配信売上は伸び続けているのだ。

 2012年にはCDなどの売上が94億USドルに対して有料音楽配信売上は58ドルと、有料音楽配信はCDなどの3分の2くらいまで売上を伸ばしている

 一方、日本ではCDが売れ続けている。

 CD売上で日本が米国を抜いたのは2009年のこと。2012年の日本のCDなどパッケージ商品売上は3178億円であり、有料音楽配信売上は893億円。CDなどは有料音楽配信の3倍以上となっている。それだけでなく、日本ではCDなどは前年比10%増、音楽配信は24%減となっており、CDが減り、音楽配信が伸びている世界と逆行しているのだ。

 ただし前述のように、日本でも音楽配信サービスの利用率自体は伸びてきており、iTunesがシェアを持ち始めている。同時に最近は、Spotifyなどの月額課金制のストリーミングサービスが日本も含め世界的に普及し始めている。今後、音楽市場にはまだまだ大きな変化が起きてくるだろう。それが、音楽市場復活への起爆剤となるかもしれない。

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