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5億台がWi-Fi前提! 中国モバイルコンテンツ市場

2014年08月26日 11時00分更新

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 中国のモバイルコンテンツ市場の現状を皆さんとシェアさせていただきます。

 今回は中国情報産業部の指導下にあり、中国内でのインターネット統計調査など全国最大規模のネットワークデータベースを提供する“CNNIC”(China Internet Network Information Center)が発表した「2014年第33回中国インターネット発展状況統計報告(検索エンジン、動画、ゲーム、ECの各市場におけるPC・モバイルそれぞれの成長・変化の調査)」の数値を主に参考にしながらお伝えします。

5億人のモバイルネットユーザー

 2013年12月末までに中国のモバイルネットユーザー数は、なんと5億人に到達しました。5億人といえば、日本の人口の約4倍、中国人3人に1人がモバイルネットを利用しているというイメージです。

 ここまで成長した理由のひとつに、Wi-Fi普及に対する政府からの強力なバックアップがあります。

 皆さんがもし中国に行く機会があればぜひ確かめていただきたいのですが、海沿いの発展都市(北京、上海、広州とその他の二級都市)では空港のみならず街中でも公衆Wi-Fiスポットがとても多く、お店やスーパーでもWi-Fiを使えることが珍しくありません。たとえば、スターバックスは勿論のこと、庶民的な飲食店や食堂、駅周辺など多くの場所でもWi-Fiサービスが提供されています。

 中国の三大キャリアからも様々なデータ通信パッケージが提供されていますが、50元(約825円)で500MBなど容量が制限されたものが一般的です。文字通信だけなら1カ月持つかもしれませんが、ゲームで遊ぶなど大量のデータ通信が必要な場合には、Wi-Fiに頼らざるを得ない人が大部分でしょう。日本でも勿論Wi-Fiは普及していますが、Wi-Fiに依存せざるを得ない点において中国は日本と大きく異なる環境といえます。

 一方で、昨年12月から通称「4G」サービスも開始され、中国でも高速通信回線時代が到来。モバイル市場の成長が加速する中、歩みを合わせるようにモバイル動画配信サービスも急上昇しています。自宅にいる時でもテレビやPCを見ずに、ずっと携帯やタブレット端末に触れている人が増えてきているので、多くの動画サイトは(PCだけでなく)モバイル対応サービスに注力しています。

課金増を狙うモバイルゲーム

 各動画サイトは大量の資金を投下して版権を購入し、人気のコンテンツを展開する戦略でユーザー数を増やしています。また、ユーザーがネット上でそのコンテンツを評論したり、SNSに情報拡散したりすることによって動画サイト自体の影響力が広がることをねらっています。モバイルに絡むデータが自社の株価など市場価値に直接つながる評価ポイントだとよく知っているからなのです。

 スマートフォンの普及拡大が背景にあるのは当然のことながら、日本より遅れて始まった中国モバイルゲーム市場も既にソーシャル要素たっぷりのゲームが市場の主流になりつつあり、「ユーザーはこれまでより長くゲームを楽しむことが期待できる」つまり「課金増が狙える」と予測されていることを意味しています。

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中国モバイルゲーム市場規模(中国ゲーム版権協会・中新網)

 Wi-Fiを前提とした日本とはまったく異なるモバイル動画市場と、圧倒的なスマートフォン普及台数を背景に、日本では想像もつかない規模に成長した中国のモバイルゲーム市場。未知の領域に達した中国モバイルコンテンツ市場は、これからいったいどこへ向かうのか? それを知るためにも、CNNICなど信用度の高いデータや情報を正しく理解し、適切に「今」を捉えることが大切だと考えます。

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