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山谷剛史の「アジアIT小話」 第122回

スマホ活用で現地の人と友達に! 海外旅行の今昔

2016年04月14日 12時00分更新

文● 山谷剛史

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ミャンマーの旧JR車両で見かけた光景。スマホユーザーはミャンマーでも増えている

ミャンマーの旧JR車両で見かけた光景。スマホユーザーはミャンマーでも増えている

 新年度到来。筆者のライター稼業はかれこれ14年目となり、ASCIIとのおつきあいも14年目となる。

 このときからアジアを旅行して現地ITレポートを書いていた。日本がアジアに関心を示す記事が非常に少なかったころで、今以上に好き勝手に書けて感謝している。

 このときの旅行はトラブルばかりで面白かった。所得の差が大きくあったので、1泊数百円で泊まれ、長居ができたというのもあるが、何より現地人が絡んできたのが楽しかった。

 たとえば「Libretto」などのミニノートや「VAIO type U」のようなタブレットのはしりの製品を休憩中に触っていれば、小さなパソコンを見たことがない現地のハイテクギークが「なんだこれは!」と話しかけてきて、ガジェット話や人気のネットサービスの話で盛り上がることができた。

 最近は普及するスマートフォンが十分小さく多機能かつ高性能で、さらに外国人にインパクトを与えるガジェットが日本から生まれないので、なかなかガジェットで人を釣ることが難しくなってきた。

 またガジェットはなくても、ホテルの客引きに声をかけられ(客引きとも世間話をすれば思い出となる)、普通の人にも単に興味本位から声をかけられた。うっとおしさは否めないが、かといって旅行は現地の誰とも話さないのではつまらない。

 彼らが旅行(特にアジア旅行)を楽しくしてくれた。だが、最近はどの国にいっても人との繋がりが薄くなり、人と絡む機会が減った。

ベトナムの家電量販店。スマホは人気商品のひとつ

ベトナムの家電量販店。スマホは人気商品のひとつ

ミャンマーのスマホ売り場

ミャンマーのスマホ売り場

 原因をいろいろ考えたのだが、スマートフォンとネットサービスの普及が大きいと思う。

 まず地元の人々の関心が、スマートフォンとFacebookなどのSNSとスマートフォン用ゲームに向いてしまった。

タイ・バンコクの路上でも人々の目線はスマホに

タイ・バンコクの路上でも人々の目線はスマホに

 視線の先がスマートフォンの、歩行者や腰かけて休憩している人や店番の人が目に見えて増えた。以前はどの国でも、日本のように携帯ゲーム機や高性能なガラパゴスケータイがあったわけではないので、客が来ないときはとにかく暇だったので、外国人の筆者を見ては「興味がある」という目線を送っていた。

 以前はホテルは、ガイドブックを片手に足を頼りに探し、それを狙ってホテルの客引きが声をかけてくるが、今ではExpediaやHotels.comなどの世界的なホテル予約サイトで予約できる。

 予約したほうが安全だし緊張する必要もなく、絶対予約をお勧めするが、代わりにホテル探しでの現地人とのコミュニケーションもなくなった。

 Google Mapを利用することで道をたずねるという行為もほぼする必要がなくなる。インターネットカフェで現地人の輪に入ってパソコンを利用することで、現地のトレンドやネット利用の空気を感じることができたが、スマートフォンの台頭で不要となった。

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