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Officeで始める快適Mac生活 第9回

知っていれば仕事で差が出る

即戦力となるExcelのテーブル機能を知る

2014年03月11日 11時00分更新

文● 外村克也

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 ふだんExcelを利用していて、これができればもっと作業が効率化する、あるいはデータを有効活用できると思ったことはないだろうか。ただ、問題点を認識していても、作業のための時間がなかったり、Excelでそれをどう解決すればよいのか分かっていなかったりすると、なかなか実現に移せない。そんな場合に役立つのが、Excel for Mac 2011に付いている「テーブル」機能だ。

 この機能を使えば、入力した表を「こうしたい」と思うデータに簡単に変換できる。ワークシートに一定のルールに従ったデータが入力されていれば、データの任意の場所をクリックするだけで、データを並べ替えたり、抽出したり、集計したりといった機能を利用できるようになる。並べ替えの際に範囲を指定したり、セルに関数や数式を設定したりといった面倒な作業が必要なくなる優れものだ。住所録のような簡単なデータ整理から、売上高集計のような表計算まで、幅広く扱える機能だ。

 「テーブル」機能のもう1つの利点は、デザイン作業が要らないということ。データが大量になるほど、見やすくするためにデザインを工夫することが求められるが、「テーブル」機能では数多くのテンプレートが用意されていて、その中から適当なものを選ぶだけで美しいデザインが実現する。

 では、さっそく「テーブル」機能を追加する作業を体験してみよう。用意したのは、5月の各地区の商品別売上データだ。先ほど述べたルールというのは、まず1行に対して1件のデータが入力されていること。表では、日別の各地区、商品ごとのデータが1行に入力されている。仮にあらかじめ地区ごとに整理されていて、途中に大阪、東京といった見出し的な行が挿入されていると、テーブルとしては認識されない。

 また、テーブルに変換するデータ部分は、他の要素とは独立している必要がある。表では、「商品売上明細(5月)」というタイトルが付いていて、データ部分とは1行空いているが、この空きがないとテーブルとしては認識されない。ほかに、先頭行に見出しを付ける必要がある。

1行に1件というルールなので、特に厳しい要求ではない。ただ、様々な編集が加えられている場合は、取り除くのに手間がかかるかもしれない

テーブルへの変換は一瞬。難しい作業は一切ない

 テーブルに変換するのは、いたって簡単だ。まず、テーブルタブを選択して、テーブル表示にする。次に、変換したいデータの任意の場所をクリックする。そして、リボン左にある[新規]をクリックするだけだ。これだけの作業で、先頭行の各列に並べ替えとフィルター機能を備えたメニューが追加される。フィルターは、あらかじめデータが分類されていて、例えば「地区」の場合、東京や、大阪といった地区別の項目がリストとして用意されているので、そこから選ぶだけでフィルタリングができる。

テーブルタブを選択して、左上の[新規]をクリックだけで、ヘッダーを付けてテーブルに変換される。ヘッダーを付けない場合は、ボタン右の▼をクリックすると、[ヘッダーを付けて表を挿入]か[ヘッダーを付けずに表を挿入]の中から後のほうを選択する

見出しの右端にメニューを[開く]ボタンが自動的に配置されるので、クリックする。メニューの上部分は並び替え、下部分がフィルターの設定だ

 もっとも、フィルターや並べ替えのメニューの実装は、Excelのデータメニューにある[フィルター]を選択することでも可能だ。これに対し「テーブル」機能が優れているのは、最終行に集計行を付加できることだ。集計行のメニューには、合計や平均など8種類の関数があらかじめ組み込まれていて、目的の関数を選択するだけで、集計ができる。それぞれの関数を手作業で設置しようとすると、手間がかかるだけでなく、別に関数用のセルを用意しなければならないのでデザインが煩雑になる。「テーブル」機能を使うとそのようなことはない。

テーブルのリボンにある[集計行]にチェックを入れると、テーブルの最下行に集計行が追加される。右端のボタンをクリックすると画面のメニューが表示されるので、必要な関数を選択する

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