徹底特集 「iPhone 5s」&「iOS 7」を全力チェック! 第16回
ファッション性でiPhone 5cか、将来性でiPhone 5sか、あなたの個性をビビッドに表す2つの新型iPhone
2013年09月18日 10時01分更新
カメラ周りでは静止画も動画も、管理機能も大幅に向上
ところで、最近のスマートフォンで、もっとも大事な機能はカメラだろう。iPhoneでも、毎年、常に大きく進化し続けているのがカメラ機能だ。
今年、発表された他社のスマートフォンの中には2000万画素のカメラを内蔵した製品も出てきている。アップルも一昨年発表のiPhone 4sまでは画素数アップに力を入れてきたが、iPhone 4sで800万画素に達してからは画素数を増やしていない。関係者と話をすると、画素数が増えれば増えるほど写真のファイルサイズが大きくなり、写真の取り扱いが難しくなるといった意見を口にしており、実際にその通りだ。旅行などにいくとすぐに1000枚以上の写真を撮ってしまう筆者は、もはやMacBook Proの内蔵フラッシュストレージには写真が収まり切らず、写真は外付けHDDにバックアップしている始末だ。
そしてASCII.jpなどの原稿用に写真を送ったりする際は、結局、トリミングしたり圧縮したりして写真のサイズを減らしている。
スマートフォンのカメラ機能による写真は、そこまで画素数を増やさずとも、それ以外の方法で、まだいくらでも綺麗にすることができる。この2年間、アップルはこの「それ以外の方法」に徹底的にこだわってきた。
暗いところに強い背面照射CMOSのセンサーを使い、高精度なレンズを使ってきたのがこれまでの流れだが、iPhone 5sでこだわったのがセンサーの画素ひとつひとつを大きくすることで、iPhone 5と比べて15%ほど大きくなっている。これにより暗いところの撮影でもノイズがのりにくく、綺麗な写真が撮影できる(実はiPhone 5cの自分撮り用FaceTime HDカメラも同様の改良が加えられている)。また、それに加えて従来よりも明るいf/2.2のレンズを搭載している。
このおかげでiPhone 5sは、暗所の撮影で大きな差を生み出す。夜景も綺麗なら、人物やロウソクの明かりでの撮影などでも、圧倒的な色再現を見せてくれる。
最適な色温度に自動で調整する「True Toneフラッシュ」
これだけ暗所に強いiPhone 5sでも、やはり光量が足りずにフラッシュを焚くことがあるだろう。フラッシュを焚いた写真は、どうしても色が青っぽく不自然になってしまい、魅力を失ってしまいがちだ。アップルは、この、ほとんどの人が「仕方がない」とあきらめていた領域にまでメスを入れ始めた。
iPhone 5sの、よく見ると分かる外観上の違いは、カメラの横に縦にふたつのフラッシュが並んでいることだ。「True Toneフラッシュ」と呼ばれるこの新フラッシュでは、あらたにアンバー(黄色系)のライトが加わり、iPhone内部のソフトが1000パターンの中から最適な色温度となるようにふたつのフラッシュの光量を微調整してくれる。
そのおかげでフラッシュ撮影とは思えないような自然な色が再現できるのだ。
毎秒10枚のスピード連写から最適な1枚を選べる、「バーストモード」撮影
ここまででもかなり凄いが、さらに毎秒10枚のスピードで連写をし、撮影した写真に動きがあれば、もっともブレが少ない写真、人が何人か写っているなら、もっとも大勢が正面を向いて笑顔で写っている写真などを自動的に選んで、最適な1枚を候補として表示する「バーストモード」撮影機能も用意されている。
バースト撮影が選んでくれる1枚は、必ずしも最適な1枚ではないが、画面下部のメニューを選ぶと他の候補も見ることができる。
自動手振れ補正や「スローモーション」撮影機能も
以上が静止画写真機能の変化だが、これに加えて動画関連の機能でも、新たに自動手振れ補正や720pのハイビジョン画質で毎秒120フレームを撮影し、記録した動画の一部を選択し1/4の速度で再生する「スローモーション」撮影機能も用意されている。
「スローモーション」撮影機能を利用した動画。サッカーボールがゆっくりと動いていく様子が分かる |
この機能はかなり遊べる。バーストモードで連射した写真をフリック操作でめくると、パラパラ漫画のような楽しい動きになるが、それと並んでスローモーション再生は当面、iPhone 5sの一番の人気の機能となることだろう。
OSアップグレードの恩恵で受けられる写真機能の向上
さて、以上がiPhone 5sならではのカメラ機能の向上だが、実はこれに加えて新iPhoneでは、iOS 7が標準になっているため、このOSアップグレードの恩恵で受けられる写真機能の向上という側面もある。
例えばビデオ撮影中の3倍デジタルズーム、正方形写真が撮れる機能、8種類のフォトフィルターが撮影段階でも楽しめる機能などで、これらはiPhone 5cやiOS 7にアップグレードしたiPhone 5でも楽しめる。
ちなみにiPhone 5cは、「iSightカメラ」(背面カメラ)はiPhone 5とほぼ同等だが(といってもOSの違いなのか、iOS 6搭載のiPhone 5と取り比べてみると、かなり画質に差が出る)、自分撮り用の「FaceTime HDカメラ」(前面カメラ)は、センサーの画素を大きくして画質を向上させている。
ちなみに進化したのはカメラ機能だけではない。iOS 7には「コレクション」という機能が加わった。同じ日に同じ場所で撮影した写真などを自動的にひとくくりにまとめてくれる機能で、大量に写真を撮る人でも、後から写真が見つけやすい革新的なものだ。

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