APS-Cセンサーを搭載して生まれ変わった
ペンタックスリコー「GR」
銀塩時代から延々とリリースされ、人気も高い「GR」。そのGRが大幅にモデルチェンジして登場。個人的には「ようやく来たか」という印象だ。
極端な話になってしまうが、銀塩時代のカメラは一般的には35mmというフィルムを使って撮影を行ない、レンズ交換できる一眼レフもコンパクトカメラも同じフィルムを使っていた。
レンズ性能を除けば写真に大きな差はなく(もちろんレンズの性能がかなり重要で、その差が大事だったのだが)、数十万する一眼レフでも、数千円のコンパクトカメラでも同じ35mm版のフィルムを使えば、引き伸ばせる大きさは同じくらいで、階調幅もレンズでの差はそれほど出なかった。
だからこそ、銀塩フィルム時代に登場したGRはコンパクトなボディーに固定された高性能なレンズのおかげで「一眼レフよりもよく写る」という評判で大人気になった。しかし、デジタルカメラとなったGRは、ほかのコンデジに比べれば画質は高いのだが、決定的にAPS-Cサイズ以上のデジイチとは解像感や階調表現幅といった面で劣っていた。
銀塩時代のGRが好きだった筆者としては、これらの点がネックになっていたのだが、同じような考えを持ってる人が少なからずいるのではなかろうか?
しかし、もうそんな考えは必要ない。新しいGRにAPS-Cサイズの撮像素子が採用されたのだから。
外観は従来のGRを踏襲
外観は従来のGRそのもので目立った変更点はない。外観からAPS-C搭載機というのが判別つかないのは良い点だろう。本体サイズ(幅117×奥行34.7×高さ61mm)が小さい事もあり、スナップ撮影など、周りにカメラを意識させないで撮影することができる。
有効画素数は約1620万画素。レンズは28mmに相当する18.3mm/F2.8で、最短撮影距離はレンズ前10cmまで。リコーのデジカメはレンズ前1cmのマクロが特徴だったのだが少し残念。しかし28mm相当でレンズ前10cmはかなり近寄れるレベルだ。
撮影モードは面白いモードが追加された。シャッター&絞り優先AEで、シャッタースピードと絞り値を好みで選んで、明るさ調整はISO感度で行なうというもの。実はペンタックスのデジイチには搭載されていた機能だ。撮像素子が大きくなり、感度特性が向上しているため、ISO感度の自由度が上がり実用性が出たのだろう。
APS-Cサイズの撮像素子を搭載しているといってもやはり基本はコンデジ。エフェクト系の機能も備わり、撮像素子サイズを意識しないで普通に撮影できる機能とレスポンスのよさを持っている。今回6機種を使った中でも一番AFや動作のレスポンスがよく、コンデジを使っている感覚そのものだった。
画質はややシャープな印象
画質は少しシャープネスが高く、コンデジっぽい絵作りになっているが、そのあたりは設定次第だろう。APS-Cサイズ素子とは思えないくらい高速なAF動作やキビキビした操作感はコンデジのGRそのもの。最強のスナップカメラがやっと登場したといった感じだ。

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