公約どおり7月にリリースされたMac用新OS、「OS X Mountain Lion」。前バージョンのLion同様、店頭でのパッケージ販売は行なわれず、Mac App Store経由でのダウンロード販売オンリーで提供される。どのような点が強化されたか、iOSとの緊密化にどのような進展があったか、複数回に分けてレポートをお届けする。
「Mac OS X」から「OS X」へ
バージョン名からすると第8世代、Aqua UIの実質的なデビューの場となったPublic Betaから数えると9代目を数える「OS X」。今回から正式に「Mac」の冠が取れ、開発コード名を含めると「OS X Mountain Lion」と呼ばれるようになった。
全体を俯瞰した感想だが、進化というよりは「洗練」、強化というよりは「先取」という印象が強い。歴代のOS Xは、FinderとDockをブラッシュアップし続けることによりバージョンアップを印象付けたが、Mountain Lionでは両者ともに機能面での変更は小幅ながら操作性は確実に向上している。Quartz Extreme(Jaguar/OS X 10.2)やOpenCL(Snow Leopard/OS X 10.6)のような、GPUの有効活用にまでおよぶ基礎部分の拡充は今回見られないが、iCloudの「Documents in the Cloud」に対応するという未来を見据えたテコ入れは、デスクトップOSとして数歩先を行くものだ。
おりしも、6月にはMacBook Pro Retinaモデルを投入するなどホットイシューとなっているMacだが、iOSとの関係を考慮すれば、このMountain Lionにも当然大きな注目が集まる。それでは早速、どのような変化が生じたのかを具体的に見ていこう。
この連載の記事
-
第3回
iPhone
OS X Mountain Lionで真価を発揮する「Documents in the Cloud」 -
第2回
iPhone
確実に使い勝手を向上させる「共有」機能、「Finder」 - この連載の一覧へ