アップルは7月24日(現地時間)、同社会計年度で2012年第3四半期(4〜6月期)決算を発表した。同四半期の売上は前年同期比23%アップの350億ドル(約2兆7352億円)、純利益は21%アップの88億ドル(約6877億円)だった。2桁の成長ペースは維持しているものの、以前ほどの驚異的な成長ペースからは後退していること、そして当初の利益予想を下回ったことにより、同社株価は24日の取引終了後の時間外取引で5%以上の下落を見せている。
iPhone買い控えが原因? — アップル決算は数年ぶりに予測を下回る
これまで何度もサプライズな決算報告で市場を沸かせてきたアップルだが、今回はアナリストや関係者の「アップルの業績が予測を下回る」という事前の論評が出回っており(英Reutersの報道)、実際にそれに準じた結果となった。
その理由はReutersの報道にもあるように「新型iPhone登場前の買い控え」にあり、同四半期におけるiPhoneの販売台数は2603万台で前年同期比28%の増加だったが、直前の第2四半期からは26%の台数減少で、急激に落ち込んでいることが分かる。CEOのティム・クック(Tim Cook)氏によれば「新製品登場前に見られる現象で季節的なもの」としているが、それだけアップルにおけるiPhoneの比重が高いことを示しているといえるだろう。
なお業績予測については、アップルが第2四半期時点で出していた数字が340億ドルの売上に対し8.68ドルのEPS(1株あたりの利益)で、こちらは予測を上回っている。一方で、Thomson Reuters I/B/E/Sの事前集計では372億ドルの売上に対し10.35ドルのEPSで、これは今回の350億ドルの売上に対し9.32ドルのEPS(希薄済み)という実績を上回っており、アナリストら関係者らの期待値を下回っていたといえるだろう。Reutersによれば、こうした結果はアップルにとって過去数年来初の出来事だという。また、Wall Street Journalも20四半期ぶりのことだと報じている。結果、アップルの株価(AAPL)は24日の時間外取引で5%以上下落の570ドル前後の水準で取引が進んでいる。
iOS関連デバイスの売上が全体の3/4を占める
同四半期の業績を製品別に細かく見ていこう。Mac製品ではデスクトップ型が101万台の販売で12億8700万ドル、ノート型が301万台の販売で36億4600万ドルとなっている。Mac全体の売上は49億3300万ドルで、売上全体の比率でいえば14.1%に該当する。
iPod関連製品の販売台数は675万台で売上は10億6000万ドル、音楽関連製品やサービスの売上は20億6000万ドルとなっている。そして、iPhoneの販売台数は2603万台で売上は162億4500万ドル、iPadの販売台数は1704万台で売上は91億7100万ドルだ。iPhoneの売上比率は46.4%で、iPadは26.2%となる。前回の四半期決算レポートでも紹介したように、iOS関連デバイスの売上だけで全体の3/4ほどを占めていることになる。
実は、今期のMac売上比率は直前の第2四半期と比較して若干上昇しているのだが、これは第2四半期に比べてiPhone販売が減少したことを受けてのものだと思われる。詳細については今四半期のForm 8-K(証券取引委員会向け報告資料)を確認してほしい。