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「OS X Mountain Lion」最新機能レポート 第3回

OS X Mountain Lionで真価を発揮する「Documents in the Cloud」

2012年08月09日 10時00分更新

文● 海上忍

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ついにOS Xにも登場、「Documents in the Cloud」

 「iOS 5」でいち早くサポートされた「Documents in the Cloud」。文書の保存先をiCloudに設定することで、どのデバイスでも同じ文書にアクセスできる……などと結果についてのみ語られがちだが、従来の単一構造/細分化困難なファイル単位ではなく、ID的な役割の文字列「キー」にオブジェクトを関連づけた複層構造/分散保存可能な「Key-Value型」で文書にアクセスできることが、Documents in the Cloudという機構における最大の見どころといっていい(関連記事)。

 今後OS Xは、このKey-Value型の文書ハンドリング機構が一般化することにより、クラウド(iCloud)とシームレスにつながる方向へと進化していくと考えられる。この形式を採用するアプリケーションは、現在のところiOS版「Numbers」「Pages」「Keynote」(OS X版はローカルでは従来どおりの形式で保存)などごく少数だが、いずれ主流になっていくのだろう。

「Documents in the Cloud」に対応したOS X版「Keynote」の「開く」ダイアログ。左上にはiCloudボタンを確認できる

 なお、OS X Mountain Lionでは、Documents in the Cloudに対応したアプリケーションは直接iCloud上にデータを書き込まず、ローカルにキャッシュしたうえで逐次(常駐プロセスの機能で)アップロードする方式を採用している。このキャッシュ領域には、「ライブラリ」→「Mobile Documents」フォルダー(~/Library/Mobile Documents)が割り当てられ、そのサブフォルダーにはNumbers/Pages/Keynoteのほか、新たにDocuments in the Cloudに対応した「テキストエディット」と「プレビュー」用の領域がある。ここへFinderやTerminalを使いコピーするか、アプリケーションの「開く」ダイアログへドラッグ&ドロップすれば、ファイルはiCloud上へ転送されるという仕組みだ。

iCloud(Documents in the Cloud)のキャッシュ領域である~/Library/Mobile DocumentsをFinderで表示したところ。ウィンドウ上部、およびウィンドウ下部にあるパスバーに表示されたパスが「iCloud」に自動変換される点に注目


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