アップルの開発者会議「WWDC」(World Wide Developer Conference)が今年も米カリフォルニア州サンフランシスコで6月11日(現地時間)よりスタートした。
開催初日には同社CEOのティム・クック(Tim Cook)氏による基調講演が行なわれ、開発者に向けたメッセージと新製品が披露された。本稿では、イベントの前半の新製品ハードウェアの発表と後半の新製品ソフトウェアの発表の2つのパートに分け、同イベントでのハイライトを紹介していこう。
なお本稿は、基調講演終了後に公開された録画ビデオの内容を参考にしている。Mac/iOSデバイス、あるいはQuickTimeを導入したWindowsマシンなら、アップルのウェブサイトでビデオを参照可能なので、興味あるユーザーはぜひご覧になってほしい。
Ivy Bridge採用でMacBook Air/Proがフル刷新
基調講演では、その開始とともに壇上のスクリーンにiPhoneが表示され、音声アシスタントの「Siri」がジョークを交えつつ「Welcome」メッセージを来場者に送るという趣向でスタートした。登壇したクック氏は、今年のWWDCが23回目にあたり、IT業界全体を見ても開発者カンファレンスとしてはトップクラスの歴史を誇ること、そして参加チケットがわずか1時間43分で売り切れたことなど、過去最も盛り上がったイベントであることを報告した。
開発者が対象ということもあり、冒頭はApp Storeに関するアップデートの紹介だった。同ストアには4億のアカウントが存在し、登録されたアプリ数は65万以上。このうちiPad向けアプリは22万5000本となり、デビュー2年にしてApp Storeにおいて一定以上の支持を受けつつあると結んでいる。
続けてクック氏は、これらアプリはユーザーによって300億回以上ダウンロードされ、同社が開発者らに支払った売上報酬は50億ドルを突破したと報告。提供地域の拡大についても触れ、新たに32ヵ国を対象国とし、トータルで155ヵ国にまで対象地域が広がった。クック氏のバックには世界地図が表示され、政治的理由からサービスインできていない地域を除けば、ほぼ地図を塗りつぶすレベルにまで到達していることが分かる。
最後に、「iOSアプリが人々の生活をどう変えたのか?」をテーマにしたビデオが上映され、視覚障害者のガイドであったり、教育現場での活用、さらには途上国での広がりなど、さまざまなシーンでの活用事例が紹介された。
テーマは「MacBook」「OS X "Mountain Lion"」「iOS 6」
そして今回のWWDCのテーマは大きく3つ、「MacBook」「OS X "Mountain Lion"」「iOS 6」にあることがクック氏によって示され、最初のパートである「MacBook」ハードウェアの担当、アップル Senior Vice President, World Wide Product Marketingのフィル・シラー(Phil Schiller)氏へとバトンタッチした。