アップルの開発者会議「WWDC」(World Wide Developer Conference)が、米カリフォルニア州サンフランシスコで6月11日(現地時間)よりスタートした。開催初日に行なわれた同社CEOのティム・クック(Tim Cook)氏による基調講演後半の模様をお伝えする。
基調講演は主に3つのパートに分かれており、最初の1つがMacBook製品を中心としたハードウェアの紹介とすれば、後半の残り2つは「OS X Mountain Lion」と「iOS 6」という2つの主力ソフトウェア製品の話題となる。レポート後編ではこのソフトウェア製品のプレビューを紹介する。
Mountain Lionが、間もなくあなたの街にやってくる
Mountain Lionについてはすでに数ヵ月前にプレビューが行なわれており、今回のWWDCにおける発表は「最終版の直前プレビュー」といった感じだ。アップル Senior Vice President, World Wide Product Marketingのフィル・シラー(Phil Schiller)氏からバトンを受けて壇上に立ったのは、ソフトウェアエンジニアリング担当SVPのクレイグ・フェデリギ(Craig Federighi)氏。「完成版にほぼ近いバージョン」を同日より開発者に向けて配布することを発表した。
Mountain Lionを一言でいうならば、現行バージョンのLionにおける「iOSとの機能統合を進める」という思想を引き継いで、その延長線上の進化形だといえるだろう。Lion発表時に「Back to Mac」のキーワードで発表された「iOSの機能をMacに取り込む」ことを念頭に、ユーザーインターフェイスの改良が進行している模様だ。
Lionが過去最も優れたOSかどうかは人によって意見が分かれると思うが、少なくともその進化の途上にあり、アップルは「同社で過去最も売れたOS」としている。オンライン経由のみでの配布という、メジャーOSとしては初の試みで注目を集めたLionだが、すでに2600万コピーが販売され、Mac全体のシェアの40%に相当するという。この移行ペースはライバル製品と比較しても際立っているというのがアップルの主張だ。そして、その次を狙うのがOS X Mountain Lionとなる。
