前回は4K2K動画の制作にチャレンジしたが、今回は4K2KテレビとPCを接続して、フルHDの4倍という高精細な映像を堪能したいと思う。
今回使用したのは東芝の4K2Kテレビ「55XS5」(実売価格75万円前後)。当然ながら4K2Kの画面がひとつにつながった広大なデスクトップが実現できる。まずは、55XS5にPCをつないで見ることにしよう。
このために必要になるのが、4K入力アダプターの「THD-MBA1」(実売価格20万円前後)。そして、4K2K出力に対応したグラフィックカード。PCは前回使用した日本HPの「HP Pavilion Desktop PC h8」(直販価格7万5810円~)を使用する。
ちなみに、THD-MBA1を介さずにPCのHDMI出力を55XS5に直接接続すると、フルHDのデスクトップが画面いっぱい(つまり4倍拡大)で表示される。これでは意味をなさないのでTHD-MBA1は絶対に必要。できればアダプターなしで4K2K信号にも対応してほしいところだ。
お借りしたHP Pavilion Desktop PC h8には「AMD RADEON HD7770」というビデオカードが装着されており、これを使えば4K2K出力が行なえる。しかし、リフレッシュレートは30Hzとなり、60Hzの出力ができない。
そこで、今回は業務用グラフィックカードであるAMDの「Fire Pro V7900」(実売価格10万円前後)を使用した。このカードはDisplayPortが4ポートあり、これをHDMI(4本)に変換することで4K2Kの60Hz出力が可能になる。
さっそく、DisplayPort→HDMI変換ケーブルを介してFire Pro V7900とTHD-MBA1を接続。しかし、どうしても画面が2つまでしか表示されない。
ドライバーソフトをアップデートしたり、ケーブルの不良を疑ったりと、まる1日を費やしていろいろと試したものの、どうしてもうまく表示ができない。そこでAMD担当者に助言を求めると、付属の「アクティブドングル」を使わないとダメとの返事が返ってきた。
「ドングルなんてあったっけ?」とFire Pro V7900の付属品を調べてみると、確かにDisplayPortをDVIに変換するコードが4本付属していた。実は、DisplayPortは仕様上、1枚のグラフィックボードでは2系統の出力までしかできないようで、この付属変換コードはその制限を解除する仕組みが入っているのだそうだ。
アクティブドングルを使って、つまりDisplayPortをDVIに変換し、それをHDMIに変換して接続すると、今度は見事にデスクトップ画面が表示された、のだが……
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