JVCケンウッドから、4K2K(3840×2160ドット)の投影が可能な「D-ILAホームシアタープロジェクター」が発表された。同社とNHKが共同で開発した8Kプロジェクターの技術を民生機に適用しモデルだ。
4K2Kに対応するのは「DLA-X90R」(希望小売価格105万円)と「DLA-X70R」(同89万2500円)の2種類で、発売はともに11月下旬の予定。
2機種ともD-ILA(反射型垂直配向液晶)パネルを3つ(RGB)搭載。輝度は1200lmでコントラスト比(ネイティブ)はX90Rが120000:1、X70Rが80000:1となる。
D-ILAユニットとレンズの間に「e-shift」と呼ばれるデバイスを搭載することで、4K2Kを実現している。e-shiftに電気信号を流すことで光を斜め45度に屈折させることができ、これを1コマおきに繰り返すことで投影される映像が微妙にずれ、実質的に縦・横の解像度が倍に見える。
さらに独自技術により、フレーム内で画素情報を分析し、欠落した高域成分を抽出。画素を補間することで高精細なアップスケーリングを行なう。なお、入力ソースはフルHD解像度までで、4K2Kソースの入力はできない。
フルHD解像度までになるものの、3D表示も可能だ。その特徴は右目用の映像と左目用の映像を瞬時に書き換えられる点。他のプロジェクター方式(SXRDなど)では書き換え中、3Dメガネのシャッターを閉じているため輝度が低下するが、本製品の場合はその時間が短くて済むため、より明るい映像を視聴できる。
さらに、同社の業務用3Dイメージプロセッサー「IF-2D3D1」(実売価格200万円超)の技術をホームシアター向けにチューニングした、「2D-3Dコンバーター」機能を搭載。2Dのソースを3Dで表示できる。
投影するスクリーンを指定することで、反射特性のばらつきを考量して画質を調整する「スクリーン補正モード」や、調整した画面位置を3つまで記録できる「レンズメモリー」といった調整機能も搭載。
さらに、色にじみの調整を行なう「画素調整」機能では、1画素よりもさらに細かい16分の1画素単位で行なえる上、その適用範囲を画面全体だけでなく一部の個所(合計121ヵ所)で個別に調整することもできる。