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新「iPad」―感性を刺激する未体験の解像感がポストPCの未来を斬り開く

2012年03月15日 10時01分更新

文● 林 信行

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中身の変わり過ぎで不都合も

 ちなみに、中身がまったく異なっていることによって、多少の不都合もある。

 iPad 2や新しいiPadは、アップルの「スマートカバー」というマグネットでとまるカバーが用意されており、このカバーで画面を覆うと、磁力センサーが働き、iPadが自動的にスリープ状態になる。

アップルのスマートカバーというカバーで画面を覆うと自動的にスリープ状態になる

 実は最近、このスマートカバーと同様に機能するマグネット内蔵型カバーがiPad 2用にいくつかのメーカーから出ているが、自動スリープが機能しないことが多いのだ。もともと、このマグネットでスリープする仕様は、アップルが公開しライセンスしているものではなく、各社がiPad 2の仕組みを分析して、独自に実装を行なっている。そのため、急に仕様が変わっても、純正のスマートカバーさえちゃんと動けばアップル的には問題はないことなのだが、それでも、すでに他社の互換製品を買ってしまっていた人にはちょっと残念だ。

 いろいろと検証してみると、どうやらマグネットセンサーの位置がiPad 2に比べて1cm弱ほど内側(画面側)に移動しているようで、他社製のカバーでも、マグネットが入った端っこ部分を1cmほど内側にズラすと、ちゃんとスリープする。

 これは他社製のカバーを、既に買って持っている人には不幸なニュースだが、iPadが見た目こそiPad 2と同じでも、中身はまったく異なっていることを示す何よりの証拠だろう。

筆者が愛用しているMINIOT製の木製スマートカバー「Miniot Cover for iPad 2」を閉じても、新iPadはスリープしなかった。閉じた状態で、少し内側にズラすと初めてスリープする

 これ以外の細かな変化では、ドック端子が挙げられる。

 筆者は、これまで何度かiPadにVGAやHDMIケーブルをつないで、壇上を歩きながらプレゼンテーションをしたことがあるが、これまでのiPadやiPad 2では、これらのディスプレーアダプターケーブルがすぐに抜けてしまう、という問題があった。

 しかしiPadでは、これがかなり抜けにくくなっている。実際に端子の中をのぞいてみるとこれまでなかった金属のツメが用意されている。

上から、新iPad、iPad 2、初代iPad。新iPadでは、コネクター左右端の上部に“ツメ”が用意されるようになった

 ちなみに、従来発売されていたHDMIアダプターを新iPadにつなぐと、画面は表示できるが、「このアクセサリーは対応していない」というエラーメッセージが示される。アップルは新しいiPadの発表にあわせて、ひっそりとHDMIアダプターも、がっちりと固定するクランプ付きの新型に切り替えた模様だ。

新iPadの発売にあわせて、マイナーチェンジしている純正のHDMIアダプター(それぞれ左側が新しいもの)。クランプがついて、がっちりハメられるようになった。以前のアダプターを使うとエラー表示が出る(ただし、使うことはできる)

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